ヤブユム(歓喜仏)を見る事が出来るチベット観光スポット4選

チベット仏教と言えばヤブユム(歓喜仏)の存在をボクはすぐに思い浮かぶ。

ヤブユムは男女の神々が抱き合った姿で描かれ、日本の厳かな雰囲気を醸し出す柔和な仏達とはまるで違う。

ボクは、独自にアレンジしたチベット仏教画を描いているが今まで描いてきたテーマの中でもヤブユムを描いてきた事が多かった。

 

男女の神々が抱き合った、正に密教!

というヤブユムの姿にボクは歓喜し、実際にネパールやラダックを初めとしたチベット文化圏の国々を旅してきて美しいヤブユムや仏達の壁画の数々をこの目に焼き付けてきた。

 

その時の感動は、日本に戻った今でも忘れられない・・

 

では一体何処に行けばヤブユムの壁画を見ることが出来るのだろうか?

幾つか紹介しようと思う。

 

【チベット本土の仏教美術】

チベット本土(チベット自治区)は正にチベット仏教美術の宝庫といっていいだろう。

コンカル・ドルジェンやペンコル・チューデといった寺ではヤブユムの姿をとった仏達を始め、伝承が途絶えてしまった様々な仏達の壁画を目にすることが出来る。

 

ただ本土におけるチベット仏教美術の作例としては古いものが少なく、理由としては毛沢東率いる人民解放軍にことごとく寺が破壊されてしまった事だ。

 

文化大革命後、多くの寺が再建されたがいつしか観光地化され、昔の姿を見ることはもう出来ないだろう。

 

とはいえチベット自治区内には美しい壁画を見ることが出来る寺が沢山あるが、チベット本土に行く場合、高額なツアーに参加し行かなければならず簡単に行けるような場所ではない。(しかもガイド同伴で自由に行動出来ない)

そこでチベットでヤブユムの壁画を見てみたい!

という人に朗報。

 

東チベットにあるラガン・ゴンパにはチャクラサンヴァラやヘーヴァジュラといったヤブユムの形をした神々の壁画を目にすることが出来る。

ボクは東チベット・カンゼ方面まで幾つかの町(カンディン、ラガン、タウ、カンゼ)にあるチベット仏教寺院を巡ったがヤブユムの壁画はラガン・ゴンパだけだった・・。

 

もしかするとヤブユムの壁画はレアなのかも知れない!

 

またラガン・ゴンパまでの行き方は四川省成都から乗り合いタクシーでカンディンまでいき(約6時間)そこからバスやタクシーで約3時間程度で行く事が出来る。

 

ラガンに行く途中には広大なチベットの大草原があり、息を飲むほどの絶景だった。

東チベットがある四川省までは色々な航空会社が飛行機を飛ばしているが中でもオススメは四川航空だ。

成都まで直行便があり、成都行きの飛行機の中で最も安い。

因みに東チベットのゴンパについてはこちら

ラルン・ガル・ゴンパの他にもある!!東チベットの美しき仏教寺院の数々

【“インドのチベット”ラダック】

インド北部ヒマラヤ山脈麓に広がるチベットエリア、ラダックには文化大革命の影響も無かったせいか、沢山のチベット仏教寺院がある。

またヤブユムの壁画と出会う確率も高く、圧倒的な美しさの壁画を持つ寺院が沢山あり、仏教画を描いているボクにとっては絵の勉強に最適だった。

 

ラダックの美しさはチベット仏教美術だけでなく、ラダックに住んでいる人々の優しさ、暖かさにもある。

 

ボクはラダックに行ったおかげでチベット文化に興味を抱くキッカケを作り、後にネパールでタンカ(チベット仏画)修行する事になった。

 

ラダックに行けばチベット云々抜きにしても、何か大切なものを得るキッカケを作ると思うので一生の内、一度は行って欲しいと思っている。

 

ラダックに行くには飛行機と陸路があるが、冬(10~5月)のオフシーズンは飛行機のみなので注意が必要だ。

 

また冬のラダックに行く場合、色々と注意が必要である

以下の記事では冬のラダック旅行についての注意事項をまとめてみた。

冬(12~2月)のラダック旅行の注意点『旅行者が気を付けたい6つの注意ポイント』

【ネパールの仏教美術】

ネパールは土地柄ヒンズー教と仏教が混在している国であり、それ故チベット仏教寺院が沢山ある。

 

ボクはネパールのチベット仏教寺院を求め何度か訪問したが、ヤブユムの壁画は思いのほか少なかった。

 

殆ど釈迦如来や観音菩薩などの柔和な仏達の壁画ばかりで、ボクが記憶している限りボダナート内にあるニンマ派僧院とベーロ・リング・ゴンパだけだった。

やはり日本同様ヤブユムのような歓喜仏は大っぴらには出来ないようなものなのだろうか?

 

ただネパールには観光客やバイヤー向けの土産屋や仏画店にいくとチャクラサンヴァラを初めとしたチベット仏教の神々の仏画が沢山見ることが出来る。

またネパールはチベット仏教以外にも楽しめる観光スポットが沢山あり物価も安い為、初めてバックパッカーとして行く国としては最適だと思っている。

チベット旅行に行く前にネパール・カトマンズ観光すべき10の理由

チベット文化圏の旅をして分かったがヤブユムの壁画は多くは無かったが、描かれている寺院も少なからず存在し、密教的な異彩を放っていた。

 

【日本でヤブユムを見ることは出来る?】

海外に行かずともヤブユムを見ることが出来る観光スポットがある!

福島会津若松にあるネパール博物館がそれだ。

飲食店の屋根裏を改造した、その博物館にはチャクラサンヴァラの仏像やヤマンタカの仏像、釈迦如来のタンカなど、店主が集めただろう数々のチベットグッズが展示されている。

日本でチベットでしか見ることが出来ないような仏像達に心動いたが、熱が籠もっていて蒸し暑く、集中して見ることは出来なかった・・

あと目黒にあるチベット美術館なるものも存在するが、改装工事でいつ再開するか分からないそう。

 

ただ、ボクはこういう博物館に行くと思うのだが、やっぱりチベットに行って見る方がいい!!

 

展示物としではなく、活きた形として崇め奉ってある形の仏像や壁画を見た方が好きだ!(当然か・・)

 

ボクはそんなチベットの神々と出会う為、これからも旅をする・・。

最新情報をチェックしよう!