【必見】仏画を学ぶにはチベットを旅した方がいい3つの理由

ボクは『秘境』チベットやネパールやラダックといったチベット文化圏の国々が仏画を学ぶのに最も適していると思っている。

何故ならチベットは仏教が盛んであり、ゴンパと呼ばれる僧院には美しい壁画や仏像などが沢山あって仏画師にとっては、正に『勉強の場』といっていい環境だからだ。

長年に渡りチベット文化圏の国々を旅しているボクも暇さえあれば独自にアレンジした仏画を描く絵師の一人だ。

ボクがチベット仏教美術にはまったきっかけは、ラダックでチベット仏教美術の美しさを知り、後にネパールでタンカ(仏画)絵師を見つけ出し3か月修行するまでに至った。

 

ネパールで得たものは技術だけでなく本場の美しい壁画等が今の仏画の糧になっていると思っている。

 

そこで今回、この記事では『チベット』がいかに仏画の勉強に適しているか?

 

ボクなりに考えた理由を3つ紹介するので仏画を学びたい人はチェックして欲しい。

 

【世界有数の仏教美術スポット】

先にも述べた通り、チベットにはゴンパと呼ばれる僧院が沢山あり、僧院内外には美しい壁画で彩られていて土手もカラフルだ。

ボクはそんなゴンパが好きで生涯をかけて、出来るだけ多くのゴンパを見て回ろうと思っているが、仏画を学ぶにはホンモノの仏教美術を見ることが何よりの勉強になると思っている。

だからボクは様々なゴンパを見て回っているのだが、いつも思うのはゴンパごとに様々なスタイルの壁画があったりして、全く飽きないからだ(当然だが)

ゴンパが沢山あるチベット文化圏とはチベット本土を初め、様々な国々、地域があるが、中でもラダックと呼ばれる地域は世界的にみても仏教美術の宝庫で、仏画を学びたい人は一度でいいのでいってみて欲しい地域だ。

ラダックはインド北部に広がるチベットスポットで、俗に『インドの中の小チベット』と呼ばれる事もある位、沢山の巨大ゴンパや仏教文化を見ることが出来るのだ。

ラダックにはアルチ・ゴンパと呼ばれる有名なゴンパがあるが、このゴンパには壁画のレベルが高くチベット文化圏の中でもトップクラスと呼ばれている。

またラダックは文化大革命でゴンパが破壊され続けたチベット本土とは違い、西チベットの昔ながらの仏教美術がゴンパで守り続けられている。

【インド秘境の地】ラダックで寺院巡りやトレッキングする方法とは?

ボクが初めてラダックに行った時は、ティクセやマトゴンパ等沢山のゴンパを見て回ったが、ラダックのホンモノの仏教美術は本当に今の仏画に活かされていると思っている。

以下はボクが実際に旅して見てきた美しいチベット壁画だが、これら写真を見れば『仏画の勉強になる』という事がおわかり頂けるだろう。

 

■ラダック

ティクセ・ゴンパの四天王の壁画。壁画全体は劣化しているが青が基調とした美しい壁画だ。

マト・ゴンパの壁画は綺麗な朱色で、他の壁画よりは新しい感じがした。

■ネパール

カトマンズ郊外のファルピンにあるゴンパ内の壁画。これはヨーガ行者であり、悟りをひらくため修行をしている。

同ゴンパ内の四天王の壁画。

馬頭明王の壁画(ファルピンより)馬頭はヴィジャヤと共に描かれる。

ボダナートの小高い丘の上にあるコパン・ゴンパにある壁画。他のボダナートのゴンパよりも美しい。

壁画はゴンパのみならず、巡礼用のマ二車(1回転すると御経を1回読んだことになる法具)連の奥に描かれる事も(チャナ・ドルジェの壁画*スワヤンブナートより)

■東チベット

東チベットのラガン・ゴンパの壁画(白色如意宝珠マハーカーラ)

ラガン・ゴンパではヤマンタカやヘーヴァジュラといった護法神の壁画を間近に見れるゴンパだ。

他にも緑タラといった女神の壁画も見ることが出来る。

東チベットのゴンパは文化大革命の影響もあって、文革後に再建されたゴンパが殆ど。だから新しいものが多いが、中にはプリントを貼り付けただけの壁画もあり、仏画師としては土手も残念だ。

東チベットのゴンパについてはこちら

ラルン・ガル・ゴンパの他にもある!!東チベットの美しき仏教寺院の数々

この他にもチベット文化圏には美しい壁画があるゴンパが沢山あるので、当ブログで紹介していくのでチェックしておいて欲しい。

 

【チベットの仏教文化】

ボクがチベット文化圏の旅をしているのは仏画の勉強の為であるが、ボクの心情としては仏画の背景にある文化的なものを感じることが出来るから、いい絵を描く事が出来るのだと思う。

例えばボクの絵のモデルはタンカと呼ばれるチベット仏教画だ。

このタンカは確かに信仰の為、瞑想の為に描かれているものだが、元を正せばチベット人達が作り上げてきた文化の一つなんだと思う。

 

だからボクは、タンカというものをつちかってきた文化を知るために旅をしているのかも知れない。

 

妙に理屈っぽくなってしまったが、アーティストの脳を刺激するのはやっぱり海外であり、そこに広がる文化を見てきたからこそ、今の仏画があると思っている。

ラダックで見たチャムという仮面舞踏。

 

東チベットに広がる大草原を五体投地で祈りながら聖地巡礼をする人々。

 

ネパールで見たチベット仏教やヒンドゥー教が融合した祭りの数々・・

 

ボクはチベット文化圏で様々な経験をしたからこそ、『今』があるのだ。

 

だからこそ仏画を学ぶには技術的なものだけで無く、背景にあるものも実際に見ることも勉強の一つなんだと思っている。

【海外で仏画を学べる】

ネパールは宗教心高い国だけあって仏画を学べる場所が沢山ある。

代表的な場所はチベット仏教の聖地ボダナート。

ボクはラダックに行った後にボダナートで仏画を学んだが、それはチベット文化を肌で感じられる場所であり、そして何よりゴンパが20以上ある密集地帯だからである。

 

ボダナートには仏画を学べるタンカスクールの他、ホワイト・ゴンパやコパン・ゴンパでチベット仏教や瞑想を学べたり、チベット文化について学べる事に1番適した環境だ。

ただし、タンカスクールは高額な授業料を取られるので注意が必要という事をアドバイスしておく。

例:15日間3万円の学校や1時間300円だったり(日本よりは遥かに安いが)

ボクは当時ネパールに3か月修行したが、その時の事を言えば値段の高いタンカスクールに通いたくなかった為、自力でタンカ絵師を見つけ出し3時間300円という破格の安さで請け負ってくれたタンカ絵師マイラさんのおかげが大きかった。

もしも長期間、ネパールで仏画を学びたいという人はボクのように自力で探して見るというのも一つの手だ。

 

以上3つを紹介したがチベットは仏画を学ぶに適した環境だという事がおわかり頂けただろうか?

海外は日本で味わう事が出来ない、好奇心を刺激する様々な出来事、出会い等が待っていると思うので、仏画を学びたいという人は一度チベットを旅してみて自分の仏画と向き合ってみては如何だろうか?

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