東チベット・・
そこは雄大な大草原があり、カムパと呼ばれる遊牧民が住む場所であり、チベット自治区より東側に位置する地域だ。
ボクは仏教美術が好きで何度もチベット文化圏を旅しているが、東チベットという場所ほど大自然を感じた場所はなかった。
そして、チベットで花開いた美しいチベット仏教美術(仏像や壁画等)が沢山あり、高額なツアー料と許可証が無いと行けないチベット自治区とは違う魅力があった。
ただし、タクシー移動がメインのかなりハードな旅になるが。
【冬の東チベット】
ボクが初めて東チベットを旅したのは冬真っ只中の1月の事だった。
この頃になると、新緑美しい大草原は枯れ果て、一面がはげ山のようになる。
しかし、こんな寒い中でも、熱心な仏教徒は聖地を巡る為、五体投地ではうようにしながら巡礼の旅をしたり、ヤクの群れを率いるヤク使い達が道路を横断したりしている。
そんな日本では絶対に見ることが出来ない光景を乗り合いタクシーの中でボクは度々目にしていた。
これが東チベットなのか・・
近代的な街並みと通勤ラッシュ等で賑わう日本の姿とは、かなりかけ離れている光景だ。
そう、それは正に、時代から取り残された中世のようだった。
ボクはこの東チベットの旅の目的地を初め、巨大寺院アチェンガル・ゴンパにしていたが起点となるカンゼで色々あり、カンゼが目的地となってしまったが、それでもボクは満足だった。
カンゼに行くためには最寄りの町タンゴから、乗り合いタクシーで3時間程度で到着するが、道中『カサル・ツォ』と呼ばれる美しい巨大な湖があり、そこをタクシーは通るので絶景のビュースポットとなっている。
カサル・ツォにはタウやタンゴの町で見かけるカサル飯店(ホテル)等の元締めであるカサル・リンポチェがいる僧院があり、湖畔ではチベット人達のピクニックスポットだ。
ボクは、この巨大湖を乗り合いタクシー越しでしか見ることが出来なかったが、恐らくカサル・ツォに行く場合タンゴの町でタクシーをチャーターして行く事がベストだろう。
また、新緑鮮やかな春になれば美しい緑色の山々に囲まれたカサル・ツォが旅人の目を楽しませてくれるはずだ。
■東チベットの物価等についてはこちらの記事を参考にしてほしい。
ボクの旅のメインはチベット仏教美術を見るためゴンパ(僧院)巡りを基本としている。
きっかけはインド・ラダック地方で美しいチベット仏教美術に触れ、文化を知り、チベット人達の優しさを知ったからだ。
そのおかげで後にネパールでチベット仏教画の修行に出る事になったが、ボクは宗教美術関係だけでなく、カサル・ツォのような大自然を目にする事も大好きだ。
因みにボクが1番行きたいチベットの大自然は聖山として崇められるカイラス山で、西チベットの奥地にある。
カイラス山はツアーでしか行く事が出来ず中々目にできない秘境中の秘境。
ボクは言った事は実現しようと努力するタイプの人間なので、いつかきっと行けると思っている。
【カサル飯店】
カサル・リンポチェが元締めであるカサル飯店系列のホテルは沢山あるが、実際に泊まってみると、シャワーのお湯が出なかったり、テレビがつかなかったり・・
という事がよく起きる(東チベットのホテルは大概そういうホテルが多かった。)
ボクが泊まったのはタンゴにあるカサル飯店で1泊120元。
外国人なのでパスポートのチェックとスタッフによる記入があった(ホテルの中には確認されない所もある)
*東チベットのホテルは外国人可能なホテルと不可なホテルがある。
このようなカサル飯店系列のホテルが沢山あり、タンゴにあるカサル飯店の駐車場からはカンゼ行きのバスが発車している。
また、ホテル近くを歩いていると乗り合いタクシーの運転手に声をかけられるので目的地を告げれば、人が集まりしだい行ってくれる。
因みに東チベットのホテルで1番酷かったのはラガン・ゴンパがある小さな田舎町のラガンで、まさかのトイレが無いというホテルもあった!
東チベットの旅は乗り合いタクシーやバスを活用しながらの旅になり、ハードだが、それでもとっても想い出深い旅になると思うので一度行ってみてほしい。