仏画・絵について

【秘伝】気になるタンカ(チベット仏画)の描き方を大公開!!

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タンカという仏画を知っているだろうか?

タンカとはチベットに伝われる瞑想・信仰用の仏画でありチベットの美術品としての価値も高く西洋人や中国人に特に人気の代物だ。

ボクはそのタンカの描き方を学ぶ為ネパールへ向かった。

この記事では、どうやってタンカ絵師を見つけたか?というのを具体的に書いている。

ネパールで3か月間チベット仏画タンカを学ぶ!『タンカ絵師マイラ氏との出会い』

【タンカの描き方(下書き編)】

ボクはチベット仏教の聖地ボダナートで日本語の話せるラマさんの紹介によりタンカ絵師マイラ氏のタンカ屋のもとで学ぶことになった。

とはいえ実際ボクが学んだのは描き方より塗り方がメインだった。

つまりタンカとは本来定められた線を元に尊格を描き、その下書きを元に色を塗っていくのだがボクがタンカ屋で学んだのは絵師が描いてくれた下書きの後に色を塗っていくというものだった。

下書きも教えて欲しかったが、学校ではないし彼らが仕事をしている最中合間をぬって教えてもらうという感じだったからどうしようも無いのだが・・。

ただネパールに行く前、日本在住のタンカ絵師の方から少し教えてもらう事が出来た。

定められた線を引いていき、そこに1とか2とか番号を振っていく。

 

 

これは1=1㌢という意味ではなく、ここを1として描いていくという意味。

 

 

文にして説明擦るのは難しいが、この幅を1にしたら、その幅を5㌢だろうが10㌢だろうが、その幅は1という事なのだ。

彼らは子供の頃から描き続けているお陰でどうやれば尊格を描けるのか全て頭の中に入っているようだった。

また、タンカの題材となるのは曼荼羅やチベット仏教の神々だが、日本仏教よりも数多くの神仏達が登場する。

チベット仏教における仏達の種類『代表的なチベットの神々とは?』

【タンカの描き方(色彩編)】

 

 

タンカは一体何で描かれるのか・・?

 

それは岩絵の具だ。

 

ただ知り合いのタンカ絵師のように岩絵の具とよく似た性質を持つ水彩絵の具を使う絵師もいる。

 

それだけ岩絵の具は高価なのだ。

 

それともう一つアクリル絵の具も併用して使われる。

 

これはしっかりと色をつけるときに使われ岩絵の具はアクリル絵の具の上に重ねながら描きグラデーションを創っていくのだ。

このようにして美しいタンカは描かれていく。

ボクは背景から教えて貰ったのだが空や大地を点描で打っていきグラデーションを創りながら描いていくのだ。

 

 

テンテンテン・・

 

 

正直手は疲れ、ほぼ毎日点描作業が多かった為その内腱鞘炎にでもなるのではないかと思ったが回りを見ると百号近いタンカの背景を点描で描いてる絵師達を見ると、彼らがタンカにかける思いみたいのを否応なく感じてしまいボクはまだまだだな・・と思うのであった。

 

タンカの特徴として雲や川の描き方もタンカ独特なものがある。

知り合いのタンカ絵師が言っていたが、この描き方でないとタンカではないという。

雲を描くとき鉛筆で雲を描き、その上に岩絵の具で何度も何度も塗り重ねグラデーションを創っていき雲の回りを青を水で薄く溶かし雲の輪郭を塗っていく。

 

 

*水で薄く溶かし、と言ったが彼らは筆を舐め色を調整するという職人技を使っていた。タンカ絵師から舐めろ。と言われたがさすがにボクは駄目だった・・。

 

 

川を描く場合アクリル絵の具を塗り、渇いた後岩絵の具でグラデーションを創っていくというものだった。

 

 

波肌等白く見える部分は白い塗料で水しぶき等を表現していくのだ。

 

他に面白いのは木?の表現方法ではないだろうか?

 

点描で描いた大地の上や山の上に緑色の塗料で、まるで打つように描いていく。

ベテランにしか表現出来ない代物でありボクはどうやって描いていたのかよく分からないほど早かったというのを記憶している。

 

【タンカの描き方(尊格を描く)】

タンカ修行もそろそろ終盤になり、いよいよ尊格(釈迦牟尼)を描く頃になった。

まずコンパスで釈迦牟尼の光背を引き(引いてもらった)その上にアクリル絵の具で塗っていくのだ。

 

 

尊格はどうやら岩絵の具というのを使わないらしくボクはタンカ絵師の指示に従い袈裟や体の色を塗っていった。

 

 

その後ベネチアンレッドの塗料で袈裟のシワ等を表現していったのだ。

顔についてはタンカ絵師マイラ氏から顔を塗って終わりという風に言われたがボクを教えていたラマさんはその言葉を聞いてか知らずかボクの横目をよそにどんどんと描き進め、いつの間にか顔が完成していたのだ。

 

 

顔を描くのは本来トップレベルのタンカ絵師でありマイラ氏の次の次に長いであろうラマさんが描くのは至極当然の事なのかも知れない。

 

 

因みにボクを教えていたラマさんはその腕を見込まれてか寺院の壁画の修復に携わるらしいとのこと。

震災後チベット仏教寺院に行くと壁画修復をしているタンカ絵師の姿を見たことがあり、これはきっとラマさんにとって名誉な事なんだと思う。

その後タンカの回りを朱色で塗っていき枠を作るとキャンバスを綺麗に切り裂き長かったタンカ修行も終わるのであった。

 

ボダナートにはタンカ絵師達が沢山いるが年々減少傾向にあるそう。

ただでさえチベット本土では美しいチベット文化が消え去ろうとしているのにネパールでタンカ絵師の数が減って行けば、この先のチベット文化の形はどのようになっていくのか・・

心配なところがある。

 

タンカやチベット文化の数々の未来は今を生きるネパール人やチベット人の手にかかっているのかも知れない。

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