もう難しくない!失敗しない大きい絵の描き方を解説する

絵には色々なサイズがあるが、その中でも一番難しいのは大きなサイズの絵だ。

なぜならキャンバスのサイズが大きいという事は全体像を把握するのが難しく、小さな絵と比べてみても描き上げるのに日数がかかる。

 

特に細かい絵を大きなサイズのキャンバスで描く時は細かな所まで目を行き届かせないといけないので画家泣かせな所がある。

 

ボクの絵はチベット仏教の神々やヒンズー教の神々を漫画風に描いているが、この絵はアクリル絵の具で描かれている。

そしてボクの絵の魅力は装飾的な枠にあり、これがあることにより絵全体のボリュームを盛っていると言えよう。

 

ただ細かく描く事により時間もかかり大変だ。

 

それはサイズが大きければ大きいほど描く事が大変になり時間もかかる。

そしてどこにどの色を使うべきか迷ってしまうこともある。

だがボクが発見した方法を使えば大きい絵でも時間はかかるが仕上げる事が可能なのだ。

 

【大きい絵を塗っていく】

大きい絵を塗る時ボクの場合、枠から塗っていく。

枠から塗って行くのはサイズが小さくても大きくても共通なのだが、ボクは絵を描くとき1番大変な所から塗っていくようにしている。

大変な事を先にやれば後は多少楽な作業をやれば良いだけだし、枠の色のバランスを見てメインテーマとなる尊格の色のバランスを考えているからなのだ。

 

ただメインテーマといってもサイズが大きいとどこから手をつければいいか考え物。

 

そこでボクは部分的に絵を塗っていく方法にした。

 

具体的に言えばさっきの枠のように大変な所から塗っていく事なのだ。

 

この文殊菩薩の絵を例に出すと・・

 

文殊菩薩の上にいる護法神や神々から塗っていき・・

 

次は文殊菩薩と、その両隣にいる祖師を塗る。

 

そして最後は文殊菩薩の下にいる観音菩薩や金剛手、神々を塗って行くのだ。

この方法を使えばどこから手をつければいいのかという事を解決出来るはず。

 

 

因みに例に出した文殊菩薩は10号サイズ。

 

30号以上の大きな絵を描くときも同じ事で部分的に塗っていく事で地道にだが完成させる事が出来る。

 

また大きな絵のメリットは時間がかかるものの完成した時の見ごたえが期待出来るしイヤらしい話だが売る時に高値で販売出来る(ただ大きなサイズは中々売れにくい)

 

制作面では時間がかかるというデメリット以外に下書きをしっかりしないと完成した時のバランスが崩れてしまう恐れがあるので

 

サイズが大きいキャンバスで絵を描く時は下書きはしっかり描いた方がいい。

 

特に人物画はそれが顕著に出てしまう為、下書をする際に何度も修正して描く事をオススメする。

 

後ボクのような細かい絵に限らず、どんな絵でも応用出来ると思うから試してみてはどうだろうか?

例えば風景画なら、大まかに全体の色を決め塗ったあと山は山から塗っていく。家は家から塗っていくといった感じで。

 

 

【仏画修行の旅で大きい絵の描き方を学ぶ

ボクはラダックでチベット文化の美しさを知り、その文化の1つのタンカ(チベット仏教絵)を学ぶためネパールへ短期間であるが学びに行った。

そこで教えてもらった事も大きい絵を描く際の参考程度に教えたい。

 

タンカも部分的に塗っていくという点では変わらなかった。

 

岩絵の具を使い、アクリル絵の具のように失敗しても上から塗り重ねるという方法が使えない点以外は。

例えばボクが教えてもらったこの釈迦牟尼仏陀。

これは『背景』から塗り、その次に釈迦牟尼仏陀を塗る。

背景から塗って行くのは宗教的な意味合い(尊格は神聖な為?)かは分からないが、ボクがネパールでタンカ修行の旅に行った事でボクの絵の描き方や塗り方等のスキルがレベルアップしたのは間違いはない。

 

因みに背景はどのように塗っていくかというと絵の具を水で薄くさせ大まかに塗っていった後、点描で陰影をつけながら延々と塗っていくのだ。

それ以外も同じように始めに大まかに塗っていった後にグラデーションをつけながら色のバランスを見ながらやっていくのだ。

 

【大きなサイズの絵を描く必要性とは?】

そもそも大変な思いをして大きな絵を描くという必要性はどこにあるのだろうか?
一番思い付きやすいのはコンペである。

絵画コンクールにもよるがサイズ規定の無いコンペでもHPに公開されている入賞作品の一覧とかを見てみると

やはり30号位(91㌢×71㌢*30号でも色々なサイズがある)の大きなサイズの絵が多い。

例を出すとボクが以前入賞した世界絵画大賞でも受賞した作品を表彰式後に展覧会のような形で展示されていたので

 

行ってみるとやっぱり30号以上ばかりであった。

 

当然ながら大賞を取った人は作品お買い上げという形になるが

 

それ以外は残念ながら返却される。

 

その後の絵の運命は倉庫があれば保管したり個展の目玉として展示販売したり様々だが

売るにしてやはりサイズ的な問題で中々売れにくい。

 

 

また保管場所も問題だ。

 

 

ボクのように画廊が預かってくれるという環境の人以外は自宅保管という形になるんだろうが一番いいのは無料で展示してくれる所が見付かった時だ。

例えば世界絵画大賞で入賞した作品だが今のところ近くの郵便局で展示してもらっている(無期で)

 

親の知り合いがたまたま郵便局局長がいてこういう形になったが知り合いに展示してくれそうな人がいれば貸すというのも考えて欲しい。

因みに以前個展をした際に50号の絵を展示した時、美術教師をしている友人の叔父さんが買ってくれたが

その絵の運命は現在、学校で展示してくれているという。

 

絵描きとしては買ってくれたのは嬉しいが、その先の絵の辿る道も気になる所である。

 

大きい絵を描くというシュチュレーションはコンペの他にも壁画制作や絵の依頼等がある。

 

ボクはそういった依頼を今まで頼まれた事が無いが、やはり絵を描くサイズがでかくなるので全体像を掴むのは大変だと思う。

 

ただ、もしもこういう依頼があれば画家としてはやってみたいと思う所だ。

 

どういう風に描いていけば分からないけど(^-^;

 

【大きい絵は売れるのか?】

最近ボクは30以上の大きな絵を描かなくなった。

 

理由は2つあり1つは制作期間が長くなるからだ。

 

何ヵ月も大きな絵に向かいあうより小さなサイズ(0~3号)の絵を描く方が沢山絵を増やす事が出来るからだ。

 

10号サイズの絵でさえ完成まで3ヶ月もかかってしまったという経験もあるため尚更である。

 

 

もう1つは大きい絵を描いても中々売れないからである。

 

例えばボクが個展を開くと0~6号位の絵は売れるが、それ以上の売れいきはドンドン下がってくる。

 

50号の絵が売れた時は運が良かったのもあるが、友人の叔父さんがボクの事を応援してくれている

というのが大きいと思う。

 

 

何故、大きい絵は中々売れないのか?

 

 

考えてみれば絵を買ったとしても展示できるようなスペースが無い家が少ないからだ。(大きい絵を展示できるような場所は公共施設等、限られてしまう)

 

だからこそボクは大きい絵を自分から進んで描く事は少なくなっていくだろう(依頼があれば描きたいと思うけど)

 

こういう思いがあるため絵を描く時は絵をお店で売られている普通の商品として考えて制作した方が売れいきがよくなるのではないかと思っている。

 

【まとめ】

どういう絵を描くかにもよるが大きい絵を描く時は大まかに塗ったあと部分的に描いていった方が精神的な面で苦労しないですむ。

また大きい絵は絵画コンクール向けに描く事がベストだと思う。

個展に向け絵を描く時は絵を商品としてとらえ、どのようなサイズが売れやすいのかを見極める必要性があると思います!

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