【潜入】チベット密教法具シンギングボウル製作所に行ってみた!

ボクは以前ネパールに訪れた際、チベット密教法具シンギングボウルの製作所を教えて貰い、シンギングボウルの書き初め体験をしたことがある。

シンギングボウルとは別名チベタンボウルとも言われ、ボウルの回りをスティックで擦ると美しい音色が奏でることもあり瞑想用やスパ等で使われる。

 

【シンキングボウル製作所】

ボクがシンギングボウル製作所を教えて貰ったきっかけはチベット仏画修業のため聖地ボウダナートに訪れたことが始まりだ。

 

ボクはチベット仏画の修業先を教えて貰うためボウダに住む人たちに仏画絵師は知らないかと聞き回っていた。

 

そんな時、現れたのが日本に長年住んでいたラマさんだ。

ボクは彼のはからいで絵師の方を紹介してもらったが同時に貴重な体験もさせてくれた。

 

それがシンギングボウル製作所での絵付け体験なのだ。

 

実はラマさんの兄がボウダナートでシンギングボウル店の経営をやっていているのだが店内でラマさんが絵師の方と話をつけてる間、彼から

 

 

「シンギングボウルを作ってるところを見学をしてみないか?」

 

 

という事を言われ、またとないチャンスと思いボクは彼と製作所に行く事にした。

待っているとラマさんから呼び出しがあり、知り合いの仏画絵師の元へ・・

 

チベット仏画の修業先を確保した後、ラマさんの兄と共にタクシーに乗り込みチベット仏教の聖地スワヤンブナートに向かうのだった。

タクシーに連れられスワヤンブナート麓の住宅街に降ろされると、路地のような所に連れて行かれるとそこにはラマさんの家と小さな製作所が。

ラマさんの兄と製作所に入ると10人位の人たちが黙々とシンギングボウルを作っていたのだった。

 

因みにスワヤンブナートはネワール仏教徒の聖地であり、チベット人がやって来てからは周辺にチベット寺院にが幾つも建設され、美しい壁画や彫刻等を巨大ストゥーパ周辺で見る事が出来る。

小さな丘の上に立つスワヤンブナートの仏塔だが、観光スポットはこの他にも多数存在するのでチェックしておいて欲しい。

ネパール仏教観光スポットを訪ねて『美しき仏教寺院3選』

【シンキングボウルの作り方】

辺りを見渡すとシンギングボウルの元となる丸いプレートようなものが幾つも重なっていたり、それをトンカチのようなもので打ち鳴らしながら丸く作っている職人。

 

 

シンギングボウルに描かれる真言オム・マニ・ペメ・フムの文字を描いている絵付け職人。

 

 

あと職人の家族だろうか赤ちゃんにおっぱいをあげている女性の姿も。

 

 

因みにオム・マニ・ペメ・フムとはチベット人が口ずさむ真言(観音菩薩の真言で“蓮華の中の宝珠よ幸あれ”という意味)でよくマニ車に刻まれていたりチベット文化圏各地で見ることが出来る。

真言はこの他にも各尊格ごとに違い、チベット人達はその尊格に対して真言をとなえるのだ。

チベット仏教の仏達と各真言についての記事はこちら

チベット密教パワー炸裂!真言オム・マ二・ペメ・フムって何?

 

ボクは彼らの事を見ていると、製作所の所長でもあるラマさんの兄から

 

「シンギングボウルに絵付けしてみないか?」

 

というまたとないチャンスを頂く事になった。

ボクは絵付けされる前のシンギングボウルを渡され、絵付けをしていた職人から絵付けの方法を教えて貰い、シンギングボウルにボクは筆を入れた。

 

 

・・凄く難しかった。

 

 

オム・マニ・ペメ・フムとシンギングボウルに描いてみたが丸く湾曲したシンギングボウルに絵付けするのは、相当な熟練が必要だと感じた。

 

チベット仏画タンカを描くタンカ絵師達もそうだが。

 

職人から練習のためチベット語の真言を紙に書いてみたが、チベット語の書き順が違ったらしく何度か書き直された。

 

 

チベット語もまた難しい・・。

 

 

またボクが絵を描いているという事でヒンズー教の神さまガネーシャを描いてみないかというラマさんの兄のススメで描いてみたら思いのほか好評で、職人の人たちがボクがシンギングボウルに描いたガネーシャを見に来て

 

 

Good!Good!と口々にいうのだった。

 

 

 

とはいえ彼らが描いた美しい絵に比べるとまだまだだが・・。

 

 

シンギングボウル製作所で絵付け体験や見学を3時間位した後、ラマさんの兄と共にタクシーに乗り込み、渋滞続きの夜の中ボウダナートに帰るのだった。

 

 

チベット仏画タンカもそうだが職人達の粋をシンギングボウル製作所で見ることができた貴重な体験だった。

 

ボクはその後、タンカ絵師マイラ師の元でチベット仏画タンカを学ぶ事になったが、シンキングボウル絵付け体験もそうだったようにネパールの伝統技術はそう易々と習得出来るものでは無いという事が3か月間のタンカ修業でまざまざと感じる事が出来た。

タンカ絵師達は、子供の頃からタンカを描き続けベテランになっていくのだから、そうそう簡単な事ではなかったが、3か月という短い期間でも現在のボクの絵に大きな影響を与える結果となったのだから、やはり行って良かったんだと思う。

 

以下の記事では3か月タンカ修業をした時の様子や知られざるタンカの描き方をまとめているので興味のある人はチェックしておいて欲しい。

ネパールで3か月間チベット仏画タンカを学ぶ!『タンカ絵師マイラ氏との出会い』

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!