『ヒマラヤの国』ネパールにはネパール独自の仏教(密教)が存在しておりカトマンズ盆地内には約300ものネパール仏教寺院があり、観光スポットとして有名なものも多い。
またネパールはインドとチベットに挟まれた影響により仏教の中にヒンズー教要素が混ざっているというのもネパール仏教の特徴だろう。
ではネパールにはどんなネパール仏教寺院があるのか?
有名な観光スポット三つを見ていこうと思う。
【スワヤンブナート】
ボクはネパールに何度か訪れた事があるが、通称モンキーテンプルと言われているスワヤンブナートは、欠かさず行くようにしている。
というのもスワヤンブナートの周りにはチベット仏教寺院が沢山あり、美しい壁画を見ることが出来るからだ。
ボクの目的は美しい壁画や宗教美術を見て、絵の参考にする事を目的に旅をしている。
チベット文化圏の国々の中でもネパールは宗教美術の宝庫であり、アーティスト心をくすぐるネパールは何度も訪れる価値があるからだ。
そんな宗教美術が沢山ある観光スポット、スワヤンブナートだが元々チベット仏教寺院というのは存在しなかった。
1950年代、中国による文化大革命によりチベットから逃げ延びてきたチベット人達はスワヤンブナートに移り住み、いつしかチベット仏教寺院が作られるようになり、スワヤンブナートを見渡せば至る所にチベット仏教寺院が建ち並ぶ光景を見ることが出来るようになった。
ただチベット仏教的であるスワヤンブナートだが、元々はネパール仏教の聖地。
仏塔がある境内の中ではネパール仏教徒による祈りの光景や儀式の様子を見ることができ、このような日本では見ることが出来ない光景を見れるのも海外旅行ならではだろう。
ただアーティスト目線で言えば、仏塔の周りにはチャイティヤと呼ばれるネパール独自の仏塔が沢山あり、美しい仏像や仏教模様が彫られ一つ一つ違うからボクとしてはグッとくるのだ。
またスワヤンブナートの周りには真言が彫られたマ二石や神々の彫刻や壁画が沢山見ることが出来るため、何度行っても飽きることはない。
スワヤンブナートまではタメルからタクシーであっという間に着くことが出来るが、是非歩いて行ってほしい。
タメルから徒歩約2~30分だが、途中ヴィシュヌマティ川を渡った後、階段が見えてくると思うが、その先に小さなネパール仏教寺院があり、静かな境内で仏教徒が祈りを捧げている。
スワヤンブナートに行く道中ボクはいつもここで休憩をとるようにしているが、ここにもチャイティヤや仏像が沢山あるため必見だと思う。
とはいえ、ここでのんびりしていると見知らぬ爺さんがボクに祝福を捧げティラカ(赤い点)を額に塗って行くという事がある。
こういうガイドブックに載らない観光スポットや面白い出会いがあるというのも旅ならではだ。
【カテシンプーストゥーパ】
スワヤンブナートに行く時間が無い人にオススメしたいのがカテシンプーストゥーパだ。
タメルからダルバール広場に向かう道を真っ直ぐ進むと仏画・仏具店が建ち並ぶ通りがあり右側に境内が見えてくるはずだ。
カテシンプーストゥーパは1650年頃にスワヤンブナートを模して造られたもので、ネパール仏教徒やチベット人に信仰を受けている場所だ。
ここもスワヤンブナート同様チベット仏教寺院があり、中には美しい壁画や仏像が鎮座していてタメルから最も近いチベット仏教寺院だと思う。
スワヤンブナートやボダナートに行かないとチベット仏教寺院を見ることが出来ないが、タメルから僅か徒歩10分程で到着出来るのも魅力の一つだが、気を付けて欲しいのは麻薬売りだ。
カテシンプーストゥーパを見ていると突然、男に話しかけられ「ハッパ要らないか?」と声をかけられた事がある。
ハッパ、もしくはチョコは麻薬の事なのでタメルや観光スポット各地でこのような事を言われたら無視してほしい。
ただカテシンプーストゥーパには猿がいないのも魅力だと思う(犬はいるが)
ヤツらに襲われたら病気に感染する恐れがあるため(多分)注意が必要だ。
ボクは正直、海外で病気になることを恐れている。
海外で病気になれば(自体を争う深刻な場合)病院に行かないといけないし、言葉もよく判らない上、中々信用出来るようなものじゃ無い。
そして、もし犬に噛まれて狂犬病になったらオダブツであるため、ボクは犬や他の動物に近づかないようにしている。
旅をするにも、こういった病気への注意も必要なのだ。
【ゴールデン・テンプル】
パタンにある金閣寺とも言うべきゴールデン・テンプルは観光客にも人気の観光スポットであり、名前のごとく金色に輝く境内には、これまた金色の仏像や仏教美術が所狭しと飾られ、見るものの目を奪うだろう。
二階にはネパール仏教徒が祈りを捧げるゴンパがあり、マニ車やチベット仏教の壁画が描かれ、チベット的だ。
ボクがこの場所を見学していると近くにいたオジさんから法要の様子など色々説明してくれた。
この時、ネパール仏教徒による法要が行われていたのだが、彼らが口ずさむ真言(マントラ)はターラーの真言だという。
ターラーとはチベット仏教の女神であり観音菩薩から生み出された慈悲の存在としてチベット人やネパール人の間で人気の神様だ。
彼は他にも六道輪廻図の事や宗教的な事を色々教えてくれたが、最後にタンカ屋に連れて行かれタンカを買わないかと進められた。
ボクは遠慮したが、タンカ屋にあったタンカの説明をしてくれたり親切な人だった。
*悪い人の場合、勝手にガイドした後、高額な金銭を要求するという事があるため日本人は特に注意。
人を何でも疑うのはよくないと思うが・・
この寺院が造られたのは12世紀頃だが、元々パタンは美の都とも言われ、宗教美術を造る職人達が多く今でも工房を構えている所が多い。
彼らの粋を集めた場所こそゴールデン・テンプルでありボクはその美しい仏教美術に感動して、いつまでも見入っていた事がある。
その位、美しいのだ。
こういった美しい寺院を見ることが出来るのも旅の魅力でありボクの独断と偏見で言えばネパール寺院は彫刻が優れ、チベット仏教寺院は壁画が美しいと思っている。
とはいえ、どちらも観光スポットである前に信仰の対象であるため、マナーを守って見学したいものだ。
有名なネパール仏教ゆかりの観光スポットを三つ紹介したが、ネパールにはまだまだ沢山の仏教寺院がある。
その仏教寺院は地元ネパール人の信仰と憩いの場所になっていて、開発が進むカトマンズで静かにたたずんでいるのだ。