日本にはない信仰熱心な人々が暮らす異世界と言っていいようなチベットを初めてバックパッカーとして旅したのは東チベットだった。
東チベット(あと東北チベット・ギャロンも)は四川省成都から半日もあれば行ける場所で許可証や高額な費用が必要なチベット自治区とは違い
距離的にも手軽に行けるし各チベットの町までの道路交通網も良いのでバックパッカー旅としてもオススメしたい場所です。
ただ一人旅ゆえにほぼ英語が通じない苦労さや政治的に微妙な地域ゆえに公安がそこらじゅうにいる怖さがある。
以前ギャロン地方のマルカムという町で泊まった際にこんな事があった。
ある宿に泊まったら店主によって公安に連れていかれたという事があり、中国支配下の地域を旅する事がどういう事なのか?
と三度めのチベット旅で思い知らされた出来事でした。
だから治安は良いのかもしれないけど
時期や外国人立ち入り禁止エリアなのど考えて行動しないと安全は保証できないな~
と少し思ってしまいましたね。
怖いことを書いてしまったけど人も優しいし、大草原や極彩色に彩られた寺があったりと好きになれば何度か通いたくなるのが東チベットだと思うので
今回はチベットを旅する画家であるぼくが今までの旅の想い出と共に東チベットの魅力やオススメルート、どんな街があるのか?
という事について書いてみたのでご覧下さい
【東チベットとはどこなのか?】
東チベットのカムというのは四川省西部や雲南省の一部、更に青海省にかけてのチベット族自治州(東北チベットのアムドは四川省西北、甘粛省、青海省のほぼ一帯)を言います。
この地域は外国人が許可証なしに行けるディープな場所となっていますがラダックのように昔ながらの雰囲気を残す地域とは違い中国による開発が進んでいるので
中国語の看板がある建物や無意味に作ったとした思えない営業してるかどうかわからないホテルも多くチベット本来の姿は見れないかもしれませんが。
でもチベットである事は変わらないので費用を抑え自由に旅したい人にはオススメですね!
【東チベットのルートを考える】
東チベットのルートを考える時に旅をする日数は結構重要になってくると思います。
例えば一週間なのか?二週間なのか?ビザが必要になる16日以上なのか?
で旅できる町の数は違ってくるし旅費という面でも違ってきます。
■旅費に関しては以前バックパッカー旅をした時の記事を参考に。
また一概には言えないけどチベットの町~町に行く時は朝七時位の早朝のバスで行く事になり到着が昼位になる事が多いので
ある町を観光する際は最低でも二日間は必要だと思います(州都カンディンとマルカムや成都行きのバス、乗り合いタクシーは多数)
それを踏まえて旅の日程を組んでいく事になりますがオススメルートとしては・・
正直どの町も魅力があってこれがオススメですっ!というのはありません。
ただ他ブログ等を見る限り成都からカンディンに入ってリタンやカンゼ辺りを周遊するようなルートが人気な感じがしますが。
ぼくが初めて行った時の事を言えばカンディンに入ってラガン、タウ、ダンゴといった小さな町に行った後にカンゼに到着という感じでしたが
この時の移動は乗り合いタクシーがメインで運転手は飛ばすし乗客が集まらないと出発しないというデメリットさが結構厳しかったですね!
そんな事もあってか二回目、三回目に旅した時はバスで行く事が多くなりました。
二回目のルートに関しては東北チベットのアムドに行こうと思っていたので成都~理県、マルカムを抜けゾルゲに至り郎木寺観光をゴールにしていたけど
三回目の冬に再び郎木寺に訪れた際、店やホテルが殆んど営業していないというハプニングがあったので
○○県内にある○○鎮といった小さな町は、もしかすると冬の宿探しが厳しいかもしれません。
■冬の郎木寺に行った時の話はこちら。
またビザが必要のない15日で旅をする場合
四川省カンゼ・チベット族自治州かアバ・チベット族チャン族自治州の旅をメインにした方がルートを組みやすいと思います。
東チベットの旅をするときにルートを考えるというのも町の情報が殆んどない分、考えるのも旅の楽しみ方の一つだと思いますね!
【東チベットの主な観光スポット】
チベット文化圏を旅していく中で出会ったのが伝説のバックパッカー長田幸康氏の全チベット文化圏完全ガイド(旅行人ノート)
実際この本は町の情報がよく分からない東チベットを旅する上で凄い役にたつのだけれど
この本に掲載されていない観光スポットは実はけっこうある!
という事を付け加えさせてください。
あと、この本をディスってる訳でもないし長田さんは、ぼくの憧れの人で会った事あるけど夢のような一時でした!
ぼくはチベットの町で二日間は必要と言いましたが、理由は町の郊外等を探すとガイドブックに紹介されていない寺や観光スポットが幾つもあるという事なのです。
実際、他ブログ等でも郊外にある観光スポットが紹介されていたりしますが
ガイドブックに紹介されていないような場所を探す上で必要となるのが町の情報。
この情報というのは、まぁチベット語か中国語が分かれば現地の人に聞いて探してみる!
って事が出来ますが残念ながら言葉が分からないので中国の旅行サイトがオススメですね。
例えば、このサイトは北京をはじめ香港、台湾(彼らに言わせれば台湾も中国の一部)に至るまで中国の観光地が色々と紹介されています。
このサイトに掲載されている情報(観光地や寺の名称)を紙に書いて見せれば、とりあえず行ってはくれます。
ただ県自体がデカイと、実はとんでもなく遠く車をチャーターすると費用が高くなるという事があるので注意ですね。
ですので、どういう場所なのか?を下調べしてから行くのがミソでしょうか。
では、ここからいくつかのカム、アムドの町を紹介したいと思います。
先ず成都から、そんなに遠くない位置にあるカンゼ州州都のカンディン(康定)に関して言えば近郊に温泉があったり町の中に寺があったりと観光地としはまぁまぁです。
チベット特有の大草原が見れたりするわけではないのでチベット色を求めるなら
ラガン辺りまで行かないと体感は出来ないですね。
とはいえ、ぼくは絵描きなので寺に描かれている壁画や仏像を求めているので風景はあまり重要視していませんが。
あとカンディンという町に関して言える事は川が流れているせいか早朝は結構寒いので防寒対策が必要です。
州の名前にもなっているカンゼについては初めて行った時、カンゼ・ゴンパと町歩き位しかやらなかったので
町の名物たる温泉には実は行ってません!(温泉が好きなので行く事が出来れば行ってみたいでね)
カンゼという町について言えるのは、ただただ町から見える風景(アルプスみたいな山)が綺麗だという事と西部劇に出てきそうな町並みにある飲食店に入ったら
物乞いにお金をせがまれるという事があり、貧しい人はチベットにおいてもいるという事がその時わかりました。
カンゼに関してまとめると温泉がありカンゼ・ゴンパにある立体曼荼羅や見晴台から見える景色が美しいという事ですかね。
因みに宗教都市ともいうべきラルン・ガル・ゴンパやアチェン・ガル・ゴンパ起点の町はカンゼですが
どちらも外国人立ち入り禁止で声をかけてくる人がいるけれど行くのは非常にリスクが高いのでオススメは出来ません。
アバ州の州都であるマルカム(マーアルカン)については、なんもなさそうな感じがしますが
町の入り口付近にある卓克基には美しい町並みがあるし町の郊外にはギャロン特有の見張り台がある所や大きい寺が二つもあるみたいです(行ってないけど)
ぼくはマルカム・ゴンパで軽く山登りしたり激辛料理を食べて汗だくになった事が思い出としてありますが
なにより事情聴取の思い出が大きいので、あんまり行きたくないという事を付け加えておきます。
二回目、三回目にも行ったゾルゲという町については大草原の中にあって遊牧民の姿を見かける事ができ
町の中にあるタツァ・ゴンパや甘粛省の境にある郎木寺や温泉が主な観光スポット。
しかし大草原だけを見るだけでも価値があると思うし夏になれば馬に乗る事が出来るみたいなので、遊牧民気分を体験出来るかもですね!
それとアバという町についても紹介したいのだけれど、個人的にここはオススメ!
とにかくデカイ寺が多い。
他の町も寺が多いけれど、アバに関しては寺が町の近くにいくつもあるせいか寺巡りがメインになります。
チベット仏教美術好きにはたまらない町といった感じです。
以前行った時の事をまとめた記事がありますので詳しくはこちらへ。
チベットに行くと時が止まっているんじゃないか?と思うほど光景と
人同士が密接に繋がった日本の原風景のような姿があります。
ストレスの多い日本で暮らしているとチベットは正に理想郷というか心の故郷のようだと思ってしまいますね!
【まとめ】
この記事を書いたのは2021年の年明けコロナ真っ只中であり、歴史的パンデミックによって世界中が混乱し今までのように気軽に海外に行けるような時代ではなくなりました。
でも明けない夜がないように、いつかは元の日常が戻る日が必ずやってきます!
このコロナの世界になって思うのはチベット(というか海外)はぼくにとって大きいものなんだと感じました。
旅が出来ないぶん絵とかを描いたりしていますが、ぼくの心からチベットの旅が消える事はありません。
チベットやチベット文化圏の地域、国というのは生産性を重視するような日本に生きるぼくにとって魅力的であり
会社重視な人にこそ行ってほしい場所だと思います。
いつの日か行ける時が来たら、旅の中で取材をしてブログで発信していこうと思うので気長に気長にお待ち下さい!