東北チベットにある二大チベット僧院があるタクツァン・ラモ(郎木寺)なのだけれども
前回夏(7月)に来た時はそれはもう観光客がいっぱいいて宿も飲食店も賑わっていたのだけれど・・
冬(1月)に来てみたら、あの賑わいは一体何だったんだろう!
という位、町は閑散としていてシャッターが下りている店が殆んどだった。
この記事ではチベットを旅する画家であるぼくが冬に来た場合、どうすればいいのかを紹介しようと思います!
【タクツァン・ラモ(郎木寺)とは?】
タクツァン・ラモというのは四川省側にあるキルティ・ゴンパと甘粛省側にあるセルティ・ゴンパがある谷間の事で
この谷間にある洞窟には虎が住んでいると伝えられている事からタクツァン(虎の穴)と呼び
そしてその森には女神が宿っている事からラモ(女神)という名前がついています。
老木寺キルティ・ゴンパというのは四川省アバにも分院があるゲルクの僧院で座主はキルティ・トゥルク。
一方のセルティ・ゴンパもゲルク派僧院で北側の甘粛省側に建っている。
この僧院はゲルク派の総本山ガンデン寺のトップ、ガンデン・ティパによって1748年に建設された。
二つの僧院は土地がらみで長い間、喧嘩をしていたという。
【冬は閑散期で店がやっていない】
実はネットで郎木寺の宿は殆んど閉まっているという事をぼくは知っていました。
でもオフシーズンだからといって壊滅的な状態では無いだろうと甘くみていたのが失敗。
それでもぼくがオフシーズンを承知で郎木寺に来たのには少し理由があって前回来た時に撮ったセルティ・ゴンパの画像が消えてしまったから
もう一度撮りにいきたいという超個人的な理由と
近くにあるチャンザ温泉(降扎温泉)に行きたかったからです!
やっぱり絵を描く時は温泉に入った後がノリがいいのですよ!
特に海外の温泉というのは初めてだったし、一体どういう場所なのか気になったいました。
さて!
ぼくは目的の郎木寺までは1日かけてアバ~メアラ(紅原)~ゾルゲという長い道のりを経て14時30分発のゾルゲ発郎木寺行きのバスに乗りました。
郎木寺行きのバスには沢山のチベタン達やドイツ人らしき外国人二人が乗り込んだ事もあって
実は以外に宿とか店がやってるんじゃね?
とか一瞬思ってしまったのだけれども
いざバスが発車してみればチベタン達は途中の紅星(ホンシン)で降りていって郎木寺到着時16時半過ぎには
もうバスの乗客はまばらという何とも・・
かつ、ぼくが焦ったのは店がやっていなさ過ぎた事だった。
バスの停留所があるキルティ・ゴンパ前まで走って行くのだけれどバスの窓から見えるのは
シャッターが下りている店や宿の数々・・
これは・・大丈夫かな?
とガチで思うほどだった。
そして停留所で降りたぼくはさっそく宿探しに行く。
もしも見付からなかったらゾルゲまで車をチャーター(包車)して戻ろうかな・・
と思ったけど本当に疲れていて早く宿に泊まりたい気分だったので、ぼくは探しあるいた。
【宿・飲食店はキルティ・ゴンパ周辺にやっている】
まずぼくが向かったのは前回訪れたチベタン経営の宿だった。
この宿はキルティ・ゴンパまで行く通りにあるのだけれど着いてみてわかったのは他の宿同様、営業していないという事実だった。
それでぼくは元来た場所に戻り、辺りを探す事に。
次にぼくが向かったのはキルティ・ゴンパ近くにある回族が住むエリア。
このエリアの飲食店や宿はさっき来た通りの直ぐ隣にあって
ぼくは一つ一つ見ていくと・・
やっていそうな宿が一軒!(窓に男・女・沐浴みたいな文字が書いてある)
宿の扉を明けると出迎えた婆さんにぼくはジェスチャーで
泊まりたい・泊まれる場所なのかという事を伝えた!
(両手を頬に添え目をつぶる)
婆さんの言葉はさっぱり分からなかったけど、泊まれるらしい!
聞いてみると一泊60元というチベット旅過去最高の安さだった!
もうここしかないと思ったぼくは即決し、この宿に泊まる事になった。
部屋に案内されてみると60元とは思えないほどマトモだった!
ベッドが2つにトイレ完備(ちゃんと流れる)でシャワーは共同。部屋の窓からはセルティ・ゴンパが見える。
申し分無いですね!
因みにこの宿でも他のチベット区の宿同様パスポートの写真を撮られ
来る前はどこから来たのか?そして次はどこに行くのか?という事を聞かれた。
(この内容を郎木寺派出所のwechatに送られたので公安がぼくがこの宿に泊まっているという事を知っているはず)
【少し物価が高い郎木寺の飲食店】
ぼくはチェックインを済ませると夕食をとりに外出する事に。
と言っても行った先は宿から二軒位隣にあるチベタン経営の店で、客は坊さんばかりだった。
言葉も分からないので食べたいというジェスチャーを店員のおばさんに伝えると
メニュー表を持ってきてくれて一番安い面系を頼んだ(15元)
他のも興味はあったけれどどれも20~30元以上のものが殆んどで昨日いたアバにある回族の飲食店と比べてみても全体的に高い印象を受けた。
面系が来るのを待っている途中、バスで一緒に乗り合わせた外国人二人組もやってきた!
飲食店見付からなくてここに来たな・・
と思って何分かたつと、ようやく面系が到着。
味はまぁまぁだった(^-^;
その後、宿一階にある男女共同シャワーの一つで身体を洗うと倒れるように所についたのでした。
因みに翌日ぼくは別のチベット料理店でも食べたけれど
やっぱり少し物価が高いというのと、そもそもメニューには料理名はあるけれど具材が無いためか提供していないという事だった。
これは冬の辺境の地アルアルかも知れない(^-^;
そしてぼくにとっての聖水ジュースが何故か高い!普通3元の所、5元と高かった!
【セルティ・ゴンパでチャムの練習を目撃!】
翌日ぼくは日課の朝のシャワーを浴び11時に持参のあんパンを食べるとセルティ・ゴンパに向かった。
セルティ・ゴンパは黄金の玉座の名をいただく1748年創建のゲルク派僧院。
この僧院の入場料は30元(キルティ・ゴンパも同額)なのだけれども、チケットカウンターの僧侶もいなく
参拝者もまばらだったので、ぼくはチケット料金を払わずに門をくぐった。
前回来た時セルティ・ゴンパは絶賛工事中で泥んこの階段を通らないと丘の上にあるお堂に行けなかったけど
今は完成したのか、きちんとした階段になっていて、かなり整備されていました。
そして何よりぼくの目に止まったのが大径堂で行われていた僧侶達によるチャムの練習だった!
やっぱりチベットの新年が近いからなのでしょうか?
セルティ・ゴンパで修行中の僧侶達が一種の宗教歌のようなものを歌い上げ、舞っていた!
実際、生で見たいけれど中国に支配されているチベット区の新年は全ての町が外国人立ち入り禁止になるようなので、見る事はできないでしょう。
でも仮に行けたらこんな風景を見る事が出来るハズ!
【郎木寺からゾルゲまでのチャーター料金】
さて、ぼくはセルティ・ゴンパ見学の後、キルティ・ゴンパに行く事なく宿に戻ると
絵を描いて過ごし、チベット料理屋で劇辛料理(鍋的なもの)を食べると、そのまま明日チャーターしてくれる人を探した。
前回でもそうだったのだけれどもドライバー探しはキルティ・ゴンパ周辺ですると見付かる。
ぼくは適当に車の近くにいたオジサンに声をかけると一人の中国人の若者を紹介してくれて、彼に明日(中国語で明天)八時出発と目的地を書いたメモを見せた。
初めに言った通りぼくは温泉に行きたかったけど彼はジェスチャーでやっていない!
オーマイガー!(T_T)
というので
郎木寺~紅星~ゾルゲに泣く泣く変更し伝えると
料金は200元!
で行ってくれるというので待ち合わせ場所を宿に指定した後、解散する事になった。
温泉は本当に行きたかった・・
毎週地元の温泉に通うほど温泉が好きなぼくにとっては結構ショック!
【スミャ・ゴンパからゾルゲへの道】
翌日の朝に宿の婆さんに声をかけられ宿の裏口に行ってみると一人のチベタンがぼくを待ち構えていた。
昨日声をかけた人から連絡がいっていたらしく紅星~ゾルゲに連れていってくれるようだった。
早速ぼくを乗せた車はまだ日が上り始めた郎木寺の町を抜け、凍てついた冬の道路をゆっくり走って行くのでした。
彼によるとぼくが目指す紅星の寺はスミャ・ゴンパというらしく、また温泉経由で行った場合300元かかるとの事。
スミャ・ゴンパに行ってみると僧侶達が祈りの真っ最中!
とても本堂の中に入って見学しよう!なんて気持ちにはならなかったので、付近を散策。
隣にあるお堂にはチベット仏教の祖師像が並んでいて、とても荘厳な雰囲気であった!
ただ、それよりもスミャ・ゴンパから見えるゾルゲの大草原は本当に何度みても美しく
ここが中国ではなくチベットなのだという事がわかるのです!
【まとめ】
冬の郎木寺についてまとめると、交通手段はあるけれど行ったとしても
営業している飲食店・宿(回族地区に集中)が限られていて、探し出すのに苦労します。
ので、ぼくとしてはオススメしないという事なのです。
あと冬のゾルゲはネットの天気予報をみると最低気温氷点下10℃以上と寒い日があるけれど
体感としては、それほど寒いという感じでは無かった!(むしろラダックの方が痺れるくらい寒い!)
という事なので夏の方が過ごしやすく飲食店・宿も営業しているので郎木寺に行く時は夏がいいと思います。