ファンタジー映画やマンガ、アニメとかを見ていると、一体どうやってキャラクターが着るオリジナリティ溢れる創作衣裳を考えているんだろう?
という事を思い浮かべるかもしれない。
民族衣装のような服や、奇抜なデザインの魔法使いの衣裳、多国籍軍のような軍服等々・・
映画やマンガに出てくる創作衣裳は実に様々だ。
【創作衣裳の元ネタは?】
ボクは元々漫画家を目指していた事もあり、キャラクターが着る衣裳については意外に簡単に考える事が出来た。
とは、言っても、ボクは元々個性的なファッションが好きだったせいか、キャラクターに着せる衣裳について色々本を読んで勉強してから描くようにしていた。
これは、漫画家になる夢を諦め、画家として活動している今でも言えることで、ボクが描くマンガ仏画に登場する仏達の衣裳についても、元となっているタンカ(チベット仏教画)の影響がかなり大きい。
上がボクが描いているマンガ仏画。下が、その参考にしているタンカ。
因みに漫画家を目指していた頃、キャラクターの服を考える上で、よく読んでいたのがゴスロリの本やパリコレの本、そして超オシャレなヤツらが沢山載っている古着屋の本。
こういった本を読んでいると、ファンタジーマンガに使えそうな衣裳が沢山載っていて参考になるし、本に載っている服を少しだけアレンジするだけでも自分だけの創作衣裳を考える事が出来る。
因みに漫画の描き方については、こちらの記事を読んでほしい。
また、専門学校時代、軍人達が沢山出てくる冒険活劇のようなマンガを同級生に見せたら
「どうやって軍服を考えるの?考えるのが難しい」
という意見があった。
だが、軍服がボクの中で1番思いつきやすかった。
ボクは、不謹慎かもしれないがファッションデザインが洗練されているとも言われるナチス・ドイツの制服(特に親衛隊の制服)が好きで職業訓練学校時代にナチス親衛隊を主人公にしたマンガを描いたことがあるし
現在に至るまで、カンプバタリオンや中田商店等の軍装ショップから買ってきたドイツ軍の制服を買い集めている。
それはさておき、ナチス・ドイツで登場した軍服の数々は現在の映画やマンガ・アニメに登場する軍隊の制服に大きな影響を与える事になった。
*どういった軍服かは『ナチス親衛隊 制服』
と言った具合にググると簡単に出てくる。
また、軍服のみならず、ナチス時代に登場した様々な文化?
は現在に至るまで様々な映画やマンションで見ることが出来る。
有名処で言えばガンダムに出てくるジオン軍総帥が
『ジーク・ジオン!』
と言っていたり(明らかに第三帝国時代の『ジーク・ハイル!やハイル・ヒトラー!を思い浮かべられる。』
また、インディ・ジョーンズ/失われたアークや最後の聖戦に至っては、キリストの聖遺物を求め、インディと対決するシーンが登場するが、元ネタはアーネンエルベという組織だろう。
アーネンエルベはドイツ発展の為、聖遺物を求め世界中に考古学者を派遣したり、本気でオカルト研究をしたりと、神秘主義者であったヒムラー親衛隊長官の影響が大きい組織であった。
また、ヒムラーは遺伝的研究の為チベットに考古学者を派遣したが、チベットには創作衣裳の元ネタになるような民族衣装を着た人達が現在でも多く見ることが出来る。
因みにヒトラーは聖遺物の他、伝説の理想郷シャンバラを求めたが、詳しい事はこちらに要約しておいた。
【チベット民族衣装はファンタジー?】
世界中の民族衣装の中でボクはチベットの民族衣装が大好きだ。
服のデザインをとってみても、どこかファンタジーで、どこか漫画やアニメに出てくる衣裳のようだ。
しかも未だに、こういった衣裳はチベット本土で着られていて、東チベットを旅した時なんて色とりどりの民族衣装を着た人達が数多く見かけた位だ。
チベットの民族衣装が与えた良い例と言えばNHKの大河ファンタジー『精霊の守人』だろう。
(初めにお断りしておくが、裏取りした訳ではなく『精霊の守人』を見ていて、そんな感じがした・・という事なので、あしからず)
『精霊の守人』に出てくる衣裳は、どこかチベット的で(バルサや月読み師等)正に民族衣装を元に考案したという事が見て取れるというのが、ボクの考えだ。
だが、もっと驚いたのはバルサの故郷。
カンバル王国の雄大な大自然や村々はネパールのヒマラヤを思い起こさせ、どこか懐かしささえ感じられた。
(実は制作にあたりネパールへ取材チームを派遣している。*これは本当!)
チベットやネパールには様々な民族衣装があり、現在でも着用され続けているが、どの服も創作衣裳を考える上で外せない服ばかりだ。
■チベット文化圏の民族衣装について
特にファンタジーマンガを描く人にとっては、一度ジックリ調べて欲しいと思っているが、漫画家を目指していたボクからのアドバイス。
実際にチベットに実際に行ってみる事をオススメしている。(チベットに限らず、海外に)
日本国内には民族衣装を特集したイラストレーター、漫画家向けの本もあるし、ネットで調べると沢山の情報が溢れ出てくる。
しかし、マンガをかくうえで1番いいのは実際に取材しにいく事だ。
『精霊の守人』もそうだが、本当に良い作品を創る上では、衣裳もそうだが世界観や背景等・・
沢山の情報が必要だ。
その為に、ボクは以前ネパールに行き、数多くの文化を九州し、マンガを描き上げたという事があった。
最終的に、そのマンガはボツになってしまったが、ネパールで得た経験は現在のマンガ仏画に大きな影響と壮大なチベット文化圏完全さのキッカケになった。
因みにチベットの民族衣装は、ボクが運営するチベット民族衣装店『カイラス』で数多く見ることができる。
入り口はこちら。