南魚沼の宝林寺でロックなご住職が開催する寺フェスとは?

ぼくが宝林寺という南魚沼市舞子にある曹洞宗のお寺を知ったのはネットで活動熱心なお寺を調べていた時の事だった。

 

日本経済新聞の記事で宝林寺の事を紹介していて住職の大海宏哉さんが本堂でロックフェスを開き演奏を披露した、というものだった。

メディアで宝林寺の事を知ったぼくは自信の活動である「アートでお寺を盛り上げる活動」をご住職に知って欲しく資料を送った上りSNSで連絡をとってみた。

 

 

それから1ヶ月以上過ぎ年が明けた、ある冬の日。

 

 

ご住職から連絡があった。

 

 

内容は春に寺フェスを開催するので、その話も含めていろいろ聞きたい

という話だったので取材を兼ねて宝林寺に行く事にした。

【飯士山宝林寺】

この年の冬は雪が少なく、ぼくが住む阿賀野市は全く雪がなかったのだが長岡~魚沼と進んでいく内に雪の量も増えて行った。

 

宝林寺に行く前、上杉景勝や直江兼続ゆかりの寺、雲洞庵という大寺院で観光し上杉謙信の兜頭巾や仏画、仏像、荘厳な開山堂等を拝観。

その後、雲洞庵から程近い場所にある宝林寺に向かった(雲洞庵から大体10分位)

宝林寺は文明三年(1471年)に開山。

 

開基は坂戸城主の長尾肥前守房景公、政景公

 

元は臨済宗円覚寺派のお寺で関興寺の末宝林庵として開創し六代続いた。

天正七年(1579年)雲洞庵十二世玄林退董が隠居すると曹洞宗に改宗。

延宝三年(1675年)大原より現在地に移転した。

宝林寺隣には石上神社がありお寺の伽藍守護神として建てられ横山大観、山本五十六ら69点の書画が格天井として献上された。

 

住所
〒949-6423 新潟県南魚沼市舞子1564【地図

因みに住職の大海宏哉さんはYouTubeで「ロングヘアー僧侶宏哉」として自身の音楽活動を発信している。

https://youtube.com/@user-tm3my5kl9p

【宝林寺の見所】

お寺手前には大きな杉の木が立ち並び山門の近くにはお地蔵さんや鐘楼、秋葉三尺坊大権現がある。

庫裏側から本堂に入ると檀家さんが奉納した仏画が展示されており本堂内には本尊の阿弥陀如来、脇侍に観音菩薩、勢至菩薩、阿難尊者、十六羅漢等が祀られている。

また裏山の秋葉山には普陀三十三観音と舞子城跡がある。

【年中行事】

●1月
1日年頭挨拶
2日参禅会(朝6時)
4日年始回り
中旬さいの神
●2月
1日参禅会
●3月
1日参禅会
13日だんごまるめ
15日14時涅槃会(だんごまき)古いお札などはお焚きあげ
18日春彼岸入り法要
●4月
1日参禅会
●5月
1日参禅会
5日秋葉さま法要、念仏奉納(舞子・寿会)
8日降誕会(甘茶供養)
26日大般若会
●6月
1日参禅会
●7月
1日参禅会、6月か7月金比羅様法要、念仏法要(朝日会)
●8月
1日盆礼挨拶
2日参禅会
13日墓参り
14日棚経
15日村の祭礼
●9月
1日参禅会
20日秋彼岸入り法要
●10月
1日参禅会
●11月
1日参禅会
●12月
1日参禅会
8日成道会
31日除夜

その他コンサートや写真展などイベントが開催

【大海宏哉住職にインタビュー】

●お坊さんになった理由とは?

元々お坊さんになりたくなく30才位まで上越国際スキー場でスキーのインストラクターの仕事をしており、自分自身プロとしてスキーをしていたのだが30歳の時に大怪我をしてしまいプロとして活動するのを断念。

その時にそれまでお坊さんに絶対ならないと思っていたのが修行に行くだけ行ってみようかと思った。

行ってみたら仕事の内容にストレスがなく、やっぱりお坊さんの血が流れているのかと感じた。

なので住職の跡を継ぐぞ!という覚悟を決めて修行に行ったわけではなく、やってみたら意外と出来た。

●修行時代の思い出

修行先は石川県の大本山總持寺祖院。

 

修行時代の思い出で一番辛かったのはご飯があまり食べられないので、ずっとお腹が空いていた事。

修行に行った事により12~3キロ位痩せてしまった

朝はお粥だけ昼は具がない汁とうどん、夜は煮物や豆腐などあっさりした物が多く栄養が偏り辛かった。

●お坊さんになって良かった事

色んな事(自分と回りの人)がいい方向に進んでいる気がする。

檀家さんや親が喜ぶ事、知らない人がお寺に入るより自分の息子が跡を継ぐ事は嬉しいだろうし実際嬉しかったみたいです。

 

仕事の内容も全然嫌じゃないからそれが良かった。

 

また元々音楽が好きで思いつきで寺フェスというイベントをやってみたのだけれど、それが意外と喜んで貰えて自分自身も楽しいし凄くやって良かった。

●音楽を始めたきっかけとは?

3~12歳までピアノを習い、中学に入るとロックを聴いた事によりギターを弾き始め高校に入るとバンドを組んだ。

中学の時も今もXJAPANが大好きなようです。

●寺フェスを始めたきっかけとは?

寺フェスを始める前の年に高校時代バンドを組んでいたバンド仲間が結婚するので結婚式の時に当時のメンバーで集まって何か演奏しようという話になり演奏し楽しかった。

近くのお寺で本堂をステージにした音楽イベントを開催していたお寺を見に行った時、うちでも出来るじゃん!

と思いたち寺フェスを開催した。

●寺フェスの反応は?

 

びっくりする位良かった。

 

毎年やるつもりではなかったが檀家さんからもお願いされる声が多く主宰する側としては結構大変だが回りの人が喜んでいるから開催している。

●これからやってみたい事

ミュージック&アートという感じで色んなアーティストさんを呼びたいと思っている。

池花とか折り紙とか本格的にやっている人がいるのでフェスのようにステージでアーティストが演奏している一方、ステージの外では画家がひたすら絵を描いているみたいな、そんな感じで出来たらいいなと思っている。

また、趣味として絵を描いている人もいるし自分の才能を発表する場がない人が多いと思うので、そういう人達に場を提供出来たらいいなと思っている。

 

【寺フェスMUSIC&ARTに参加!】

南魚沼に来るのは初めてだったが豪雪地帯というだけあって雪が多く(お寺の人の話によると今年は少ないらしいが)辺り一面白銀の世界が広がっていた。

またスキー場だけでなく雲洞庵や宝林寺などいい感じのお寺や神社が点在し湯沢方面には大ゼンという大きな滝があり、自分の知らない新潟の文化、大自然があるのでぼくの旅はまだまだ終わらないだろう。

そしてこのブログで新潟の魅力あるお寺を一つでも多く紹介していこうと思うので、その時はまた記事を書こうと思うのでしばし待っていて下さい。

 

この取材から4ヶ月後、2023年5月13日、寺フェス「MUSIC&ART」が遂に宝林寺で開催された。

今回の寺フェスでは音楽イベントだけでなくライブアートが新たに追加され、アーティストの方がアートを作っている作業場面を会場で生で見ることが出来る。

 

 

で、今回なんと

 

そんな寺フェスにぼくが参加する事が出来ました!

 

元々ライブアート自体はオーストラリアでした事があるけれど、お寺でしたのは初めてだったので貴重な経験でした!

【10分で絵が売れた】バイロンベイでライブペイントしたらこうなった

実はご住職に連絡した際、寺フェス参加の話があり、ぼくは勿論快諾。

ご住職の話によると寺フェス開催中に絵を完成させないといけない、という話だったので

開催までにある程度完成に近い状態にしておきました。

 

そして時は流れ寺フェス開催日になり、ぼくは友人と共に南魚沼へ。

 

初めは日本のミケランジェロと評される石川雲蝶の彫刻が施された開山堂がある西福寺へ。

 

ここは本当に素晴らしかった!

 

天井には『道元禅師猛虎調伏の図』とよばれる大彫刻があり凄まじい仏教芸術に感動しました!(ただ写真撮影禁止なのが残念でした)

実は西福寺に行くのは今回が2回目で1回目は到着した時に拝観終了時間の15時半が過ぎてしまい、なんとも歯痒い結果だったので今回で前回の雪辱を晴らすことができた感じです。

 

 

その後、13時半前に宝林寺に到着。

 

 

 

本堂でライブアートの準備に取り掛かった。

 

ライブアートの参加者は、ぼくの他に二人いて隣の席にイラストを描いている林瞳さん、奥の席には折紙を作っている天昌寺副住職の阿部大機さんだった。

また出演はチャリンコさん(フォーク)、AZU+さん(ロック)、KAORIthePremenstrualさん(ロカビリー)、ご住職の大海宏哉さん。

14時になると入場が開始され30分位に開幕・演奏が始まった。

ぼくは開始から終了まで、指定の席でモクモクと絵を描いていた。その間、お客さんが見に来てくれて話しかけてくれた。

音楽が鳴り響く本堂の中、絵を描くという非日常的な世界はあっという間に終わっていった。

イベント中に絵を完成させないといけなかった為、急ぎ足で絵を描き進め、何とか完成!

この絵は観音菩薩の絵で背景は宇宙を表している。

終わった時、他二人のライブアートの作品を見てみたけれど、そっちの方も凄かった!

林さんの木の板に描かれたイラストや阿部さんの一体どうやって作ったんだろうと思う位に立体的な折紙の数々。

このようなアーティストの方々と合わせて頂いた事と寺フェスに参加の声をかけてくれた事に対して、ご住職に感謝ですね!

↑疲れて温泉ロビーで寝ている画家さん

 

その後、魚沼市の見晴らしの湯こまみで旅の最後を締めくくり帰路につきましたが充実した1日だったと思います!

 

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