五泉市の村松方面のお寺を調べていた時の事だ。
永谷寺(ようこくじ)という苔が美しい階段と境内がある曹洞宗のお寺を発見した。
いつか行ってみたいと思っていたのだが、知らない間に時が過ぎていく毎日・・
そんなある日、知り合いの住職が永谷寺の住職と知り合いという事が分かったのだが、
聞いてみて驚いたのはギターで般若心経を歌っている筋肉のスゴい住職だという事だ。
で、ぼくはその面白い住職に知り合いの住職から連絡をとってもらい会ってみる事にした!
【永谷寺の歴史と行き方】
雲栄山永谷寺は五泉市村松にある蒲原三十三観音第五番札所として知られている。
永谷寺の歴史は室町時代までさかのぼる。
創建は1504年。元々は違う宗派のお寺でしばらく無住の状態だったようだが、群馬県からやってきた僧侶がたまたま通り掛かり、永谷寺と改宗して住職となる。
そんな歴史があるので永谷寺の本寺は群馬県にある(玉泉寺)
永谷寺の場所は雷山(いかずちやま)登山口にあるのだが永谷寺までのメインルートである新潟村松三川線には確かそんな看板はなかったはずなので
代わり宝珠寺の看板のある道を三川線から横に入って進んでいく。
すると永谷寺の看板があり、道なりに進むと駐車場に到着だ。
お寺までの行き方はこちらを参考に【地図】
【美しい境内がある永谷寺】
苔におおわれた長い階段を登っていくと、そこにあるのは大きな山寺が目の前に現れる。
本堂横にある観音堂前には苔が美しい庭と鯉が何匹か泳いでいる池。
ネットで見た通り広くて美しい境内である。
13時前に約束していたぼくは到着して早々、件の住職と会う事になる。
住職の名前は吉原東玄さん
前回柏崎の普廣寺の住職槙東祐さんの一番上の兄君である。
吉原さんから本堂を少し案内して貰う事になった。
見事な天蓋がある本堂に入ると左手に大きな地獄図があった。
この地獄図は江戸時代の作品なのだが岩絵の具で描かれているので今でも色褪せている事はなく五泉市が文化財指定にしようと動いているらしい。
吉原さんがお昼をとるまでの間、ぼくは一旦観音堂で待つ事になったのだが、このお堂にある見事な木製の仏像は檀家の方が彫ったもののようだ。
観音堂で待っていると吉原さんが戻ってきて本堂で吉原さんが奏でる美しい般若心経の歌の後に話をする事になった。
吉原さんは小千谷出身で槙四人兄弟の長男だが姓が違うのは養子に来たからなのだそう。
中学卒業後にお寺に養子に出されたのだが、村松にやってきた日が1月17日。
そう、あの阪神・淡路大震災の日である。
【吉原東玄さんにインタビューしてみた!】
■ギターを始めたきっかけとは?
吉原さんはギターで般若心経をしているが養子に出され、一人でその寂しさを紛らわせる為に始めたのがきっかけのようで
現在YouTubeにいくつも吉原さんの動画が上がっているが、その始まりは知人が動画発信をしたいという事で
ギターで般若心経でやってくれないか?
と始めた事が今に繋がっているみたいだ。
■身体を鍛えている理由
吉原さんのもう一つの趣味として筋トレがある。
帰り際に一緒に写真を撮った時に見せてもらったのだがボディービルをやっていた事もあり
筋肉隆々でたくましい身体であった!
身体を鍛えている事とお坊さんになった理由もそうなのだが自己鍛練、そう自己鍛練なのです。
■好きなお寺は?
富山県の瑞龍寺
瑞龍寺は国宝指定された仏殿のようで広々として整備された境内が特徴で烏枢沙摩明王が奉られている。
瑞龍寺HPはこちら
■おすすめする五泉市の観光スポット
キッチンオネオネという村松にある洋食屋で山でジビエを獲っていたりするオーナーがいて、パスタが美味しいらしい。
調べてみたらログハウス風のいい感じのお店でいつか行ってみたいですね!
キッチンオネオネまでの行き方【地図】
■日々大切にしている事とは?
日々精進
一瞬一瞬を精進!
精進=努力という意味だが仏教において善い行いを6つにお釈迦様がまとめた六波羅蜜の一つ(布施、親切、
持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)で日々努力をするという事が大切であるという事です。
■これからやってみたい事
僧侶なので常に色んな人を幸せにしたい!
■お寺の衰退について思っている事
人、人ですよ。魅力ある人間の回りに人が来るようにスキルを磨いて喜べるようなお寺にしたいと語る吉原さん。
以前取材した若手の住職達もそうだが住職自体に魅力を持たせるという事を心がけている人が多いという印象を受けた。
【羽下大化記念館】
実は永谷寺に取材した日、村上の普済寺一行が訪問していたのだが帰り際に羽下大化記念館の鍵を開け、一行と共に中を見学したのだが
記念館と言われる位、羽下大化の仏像や彫刻用の道具など沢山あった。
羽下大化は村松出身の彫刻家で上野公園にある西郷隆盛像を手掛けた高村光雲等を師事。初代忠犬タマ公像を手掛けた村松を代表する彫刻家である。
その羽下大化記念館内で印象的だったのは奥にある弁財天の仏像で著名な彫刻家が作っただけあって見事な作品であった。
因みに羽下大化記念館の隣には五輪線刻塔婆という指定文化財がある。
五輪線塔婆というのは自然石に五輪塔が線で刻まれた塔婆の事で起源的な事を言えばインドのストゥーパ(お釈迦様の骨を奉った仏塔からきている。
【まとめ】
今回永谷寺に行ってみたけど五泉観光の一つにしたいと思えるようなお寺といい感じの住職がいるお寺でした!
永谷寺がある村松周辺は自然豊かなエリアで村松三川線の先にいくと視後平の滝や仙見川や衣岩など観光スポットがあって
何度か行った事があるけど神々が住む美しき自然世界といった感じでしたね(大袈裟)
ただ永谷寺は村松にある仏の世界として美しいお寺だったので広く知って欲しいと思っています!