二回目となる東チベットの旅の始まりは理県(リーシェン/タシリン)から始まった。
理県は中国四川省の山間にあるチャン族、漢族が住む田舎町だ。
どうしてボクがこのマイナーな田舎町に行きたかったかというと、ネットで調べても理県に関する情報も少なく何か面白い発見があるのでは無いかと思ったからだ。
またボクは一気に何時間もかけて有名な街に行くよりも何処かの町で休みながら行く方が好きというのもあるのだが。
【成都~理県への道】
2018年の7月10日ボクは成田から香港航空で四川省成都に向け出発した。
初めて乗った香港航空は前回利用した四川航空よりも乗り心地がよく特に機内食はシンプルで美味しかった!
大抵機内食は不味いのだがホットドックやスクランブルエッグ、ヨーグルト等飾り気のない食事だったのがプラスポイント。
(航空会社によってはお国料理を出す所もあるが、大抵美味しくない・・)
飛行機は予定通り13:30に香港に到着するも成都行きの飛行機が中々出発せず予定を大幅に遅れ20:50の所23時過ぎに出発した。
待ち時間に疲れ切ったボクを乗せた飛行機は成都に到着する頃には既に深夜三時になっていて、仕方ないので朝になるまで空港で仮眠をとった。
朝の五時位になってボクは四川省アバ州方面のバスが出る茶店子バスターミナルに行こうとしたら・・
タクシー運転手に声をかけられ
値段を聞くと
「200元」
高!
とは思ったものの地図上で見ると結構離れている為、ぼったくられてるかもと思いながらボクはタクシーに乗り込んだ。
この頃日本では記録的な大雨で多数の死者を出す大惨事となっていたが、ここ成都も例外ではなかった。
大雨の中、空港を出て30分程で茶店子バスターミナルに到着。
傘を持っていなかったボクに運転手は20元で折り畳み傘を売ってくれバスターミナルが開く6時過ぎまで待つことにした。
今回ボクが利用する茶店子バスターミナル
というのは四川省アバ州の他ラルンガル・ゴンパがある色建や甘粛省方面等チベットエリアに向かうバスが多数発車する所である。
掲示板をよく見てみるとボクが行こうとしている理県の文字が
理県まで60元、7時:20分発車とある。
バスターミナルが開門すると大勢の利用者たちと並びチケットを購入した。
実は初めて中国でバスチケットを購入したのだが(前回は乗合タクシーのみを利用)
外国人はチケットを購入する際パスポートを提示し空港と同じように荷物検査を行いバスに乗る事になっている。
*ただしチベットエリアに入るとパスポートの提示は行われなくなる。
7:20分。
予定通り理県行きバス(というかワゴン車)は大雨が降りしきる中、発車した。
【理県行きバスは災難続き】
ボクが乗った理県行きのバスはパンダ研究センターがある汶川等を経由して行くのだが道中は災難ばかりだった。
先に言った通り成都は大雨で道路は雨で冠水し渋滞等を引き起こしていた。
こんな状態だから予定通り到着するはずもなく・・
遂に川沿いの道路で2時間位立ち往生する事になってしまった!
というのも川が決壊したのか?それとも大雨で道路が川のようになったのかは判らないが何台もの車が、その一件のせいで立ち往生して全く進まないでいたのだ。
こうなるとお手上げ。
仕方ないので発車するまで待ち続けた。
ふと窓の外を見てみると川はゴーゴーとうなりながら荒々しい波をたてながら流れていた。
他の客達は珍しいのか写真を撮りまくっていたり状況を聞いていたりした。
ボクもそんな光景を写真に収めたのだが・・。
そんなこんなもあったがバスは止まってから2時間位したのち発車し理県に向かったが
道中何度か止まりながら14時過ぎに目的の理県に到着。
【チャン族と漢族の田舎町】
ボクが初めて訪れた町で1番始めにやること
ホテルを見付けることだ!
当然安いにこしたことは無いが設備が良くないホテルは余り泊まりたくない。
前回東チベット・カム地方に行った時はシャワー出ないトイレ無いというホテルもあった為だ。
カム地方にあった不便なホテルについてはこちらを読んで欲しい。
で、今回泊まったホテル『利民酒店』はどうかというと快適だった!
ホットシャワー・テレビ・WIFIアリ、そしてトイレも普通に流れ100元という安さも魅力だ。
ボクはチェックインし早速、理県の町を散策。
まず1番気になっていたバスから見えた『塔』に行ってみる。
ギャロンと呼ばれる地域には石造りの塔が多数点在していて理県にも、かつては見張り台であった塔が僅かながらに存在している。
理県の塔までの行き方は、すぐに分かった。
高台に続く階段を登っていくと広場になっていて、そこに巨大な塔が理県のシンボルのように佇んでいた。
一体何のために造られたのだろう?
見張り台であったのは間違いが無いのだが何から守る為に・・
等と悠久の想いにはせっていたら近くに独特な民族衣装を着たチャン族?らしきおばさんに話し掛けられた。
一体何を言ってるか判らないが、とりあえずコミュニケーションを図ってみる。
・・何を言えばいいのだろう?
とりあえず日本人からやってきた。
と伝えてみるも伝わらず。
近付こうとすると
おばさんは後ずさり。
成る程。
理県は殆ど外国人が訪れない町故、興味があるけど怖いというのもあるのだろう。
その後おばさんは居なくなっていてボクはしばらく写真を撮ったりベンチで塔を眺めていたりした。
他にも何か無いのだろうか?
そう思い石造りの住宅街を抜け中心地に出てみると半分に壊れた塔を発見。
だが、色々と行ってみたものの他に面白そうなものは無かったが住宅街の扉の殆どに道教の神様の張り紙が張ってあり見応えが・・
あったのかも知れない。
中心地の奥にあった寂しげな市場を見学した後ペプシ(3元)とヒゲ剃り(10元)を買いホテルに戻った。
因みに夕食は日本で買ってきた菓子パンを頬張り温かいシャワーを浴び翌日のマルカム行きに備えるのだった。
【理県に行ってみて思った事】
正直ボクは何かを期待し過ぎてしまったのだろうか?
と思うほど何も無い田舎町だった。
ただ絵描きとして石造りの塔は今後の絵のインスピレーションになったし
マイナーな町を調べることで面白い発見もあるためガイドブックに載っていないような情報をブログでドンドン公開していこうと思っている。
因みに理県の町は塔くらいしか面白そうな場所は無いがネットで調べると理県景区という美しい石造りの要塞のような町並みがあるらしい。
この場所が何処にあるのか判らなかったが
(聞けばよかった!)
もしもまた行く事があれば行ってみたいと思っている。
・・というか始めネットで出てる場所にバスが到着すると思ってた。
後に調べてみると、その観光スポットは桃坪羌寨という場所で石造りの塔や家が立ち並ぶチャン族?の美しい村だった。
似たような場所は他にも甘堡藏寨という石造りの村がある。
また理県~マルカムの間には米亚罗温泉があったり毕棚沟原生态风景区という大自然を見ることが出来る観光スポットもある。
また記事を読んでみて理県に行ってみたい!
という人の役にたったのであれは幸いである。(居るんだろうか笑)