チベット仏教

仏教の天使“迦楼羅(カルラ)”誕生はヒンズー教神話にあり?

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ボクは主にチベット文化圏を旅している画家で旅の中で出会った仏を紹介しようと思います。

 

今回は迦楼羅天(カルラ)

 

信仰されている地域は主に日本、中国、チベット、東南アジア諸国、インドなど仏教やヒンズー教が信仰されている国・地域なら何処でも見かける事ができる人気の神さまだ。

仏教においては、お釈迦様の回りで説法を聴いた八人の神々を八部衆というが、その中の一人迦楼羅はあたかもアジア版天使のような姿をしている。

 

迦楼羅はヒンズー教の神鳥ガルーダの事でヒンズー教の最高神ヴィシュヌ神の乗り物としてヒンズー教の国々で人気の神様だ。

 

ボクはネパールにある美の都パタンを歩いた際、合唱をした天使のようなガルーダを見た事がある。

ヒンズー教の神話では鳥の神として描かれるガルーダだが、その姿は伝承された国、地域によって変わっていき天使の姿から鳥の姿まで様々な姿をとっているようだ。

ボクが行ったネパールはヒンズー教と仏教が混在しているので、恐らくその両方がミックスされた結果なんだと思う。

 

日本においてもガルーダは迦楼羅天として信仰され、興福寺の国宝阿修羅像や他の八部衆の仏像と共に武装した鳥頭のガルーダが祀ってある。

 

 

またその姿から日本の妖怪であるカラス天狗にも影響を与えたとされ

 

三十三間堂にある迦楼羅王の仏像はカラス天狗のような顔をし、天使のような翼を持ち天狗のような特徴を兼ね備えている。

日本の寺では迦楼羅は仏ほど目立つ存在では無いが本尊が奉ってある片隅に他の天部達と一緒に奉ってある事が多い。

 

【ヒンズー教神話におけるガルーダ】

チベット文化圏にいくとチベット人の信仰の場所であるゴンパと呼ばれる仏教寺院があるが、ゴンパの外壁や柱には美しい装飾が施され、チベットの神々の彫刻が施される事もある。

その神々の彫刻の中にはガルーダの姿もあり、彼はしばしば蛇を口にくわえた姿で描かれるのだ。

ガルーダが蛇をくわえた姿で描かれるのは仏教において煩悩の象徴である蛇の破壊を意味し

しばしば六道輪廻図の中で三毒の一つである象徴として蛇が描かれている。

だが蛇をくわえているのは仏教的意味合いとは別にヒンズー教神話において蛇はガルーダの天敵だからである。

 

神話ではガルーダが生まれた時、蛇の支配をうけていた。

 

理由を母に尋ねると

 

「昔、蛇と賭けをして負けたので、このような環境に落ちてしまった」

 

と答えたのでガルーダは蛇族に支配を説くよう頼むと

 

「天界にある不死の甘露アムリタをとってこい!そうしたら自由にしてやる!!」

 

と言った。

 

ガルーダはアムリタをとってくるため天界に向かったが神々からの攻撃を受けてしまう。だが攻撃を全て跳ね返し、遂にアムリタを手に入れた。

 

しかしアムリタを手に入れ戻る最中ヴィシュヌ神が行く手を遮り戦いを挑んできた。

 

ガルーダとヴィシュヌ神との戦いは果てしなく続き勝負がつかなかった為、ヴィシュヌ神はアムリタと高い地位をガルーダに与え、自分の乗り物になるよう提案してきた。

ガルーダはその提案をのみ、以後ヴィシュヌ神の乗り物になり、高い地位についたガルーダは蛇から守ってくれる神様になったのだ。

 

このような性格だからこそガルーダは仏教に取り込まれ

 

仏教徒に崇められる存在になったが蛇族も仏教に取り込まれ、仏法を守護する8種の蛇族の神々『天龍八部衆』になったのだ。

 

【色による名称の変化】

後年ボクは成都で活動するチベット人のタトゥーアーティストのタトゥースタジオにお邪魔した時、仏教関係の本を見せてもらったのだが

 

そこには色によって尊格の名前が変わるというのを初めて知る事になった。

 

その本によればカルラ天(こんじき鳥)の色による分類は以下の通り

 

黄:珍賽金翅鳥

 

黒:金剛金翅鳥

 

白:佛陀金翅鳥

 

赤:蓮華金翅鳥

 

緑:事業金翅鳥

 

 

この時他にも本を見せてもらったが、様々な色のヤマ(閻魔天)や日本では聞いた事がないような仏たちが沢山紹介されている本を読ませてもらった。

チベットの仏を調べれば調べる程、奥が深くて全体を把握するのは中々に難しいと思う出来事だった。

 

【ガルーダの真言】

チベット密教では僧侶や仏教徒が日常的に何千回も真言を唱え、神々と交信をしているが尊格ごとに真言も異なっている。

チベットで一番有名な真言は観音菩薩の『オム・マニ・ペメ・フム』でありマ二石や山岳地帯に描かれるが、聖鳥ガルーダにも真言がある。

 

オム・クシバ・スヴァハ・オム・パクシ・スヴァハ

 

因みに犬猿の中である蛇族ナーガの真言は

 

ナンドーパナンダイェー・スヴァハ

 

という。

 

【まとめ】

カルラ天はチベットのみならず日本、東南アジア諸国と広く信仰されている人気の神様だ。

そして名前は同じでも国・地域ごとに外見が変わるので、その変化を見るだけでも面白い。

旅をすると、そんな違いを知る事ができ絵の参考になるので

 

ボクは旅が中々やめられないだろう。

 

今後旅をしていくなかで面白い姿の仏や興味深い壁画などを発見したらブログやSNSで公開しようと思っています!

 

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