新潟県村上市有明にある光浄寺は天文7年(1538年)に建てられた曹洞宗のお寺で越後三十三観音霊場の一つ(札所27番)として数えられている。
由緒あるそのお寺からご縁を結び不動明王の絵画制作のご依頼を頂いた事があった。
きっかけは「ナニコレ珍百景」「THE TIME」等テレビ出演をした事がある名物和尚がいる五泉市村松の永谷寺だった。
8月の始め永谷寺さんLINEで連絡があり光浄寺さんを紹介してもらう事になった。
お盆明け、早速ぼくは光浄寺へ向かったが約束の時間まで時間があったので八王子神社で
「ご縁がありますように」
と神様にお願いしたぼくは
いざ
その想いを胸に光浄寺へ向かった。
遍照山光浄寺のHPはこちら
【不動明王のアクリル画の依頼】
光浄寺は八王子神社直ぐ横にあり木々に囲まれた参道を真っ直ぐ歩くと大きな本堂が姿を表す。
庫裏(くり)に入るとご住職が出迎え、画家活動の話をする事になった。
話の中でご住職はスターウォーズ風の不動明王を描いてほしいらしく
ぼくのカラフルなタッチとは違う感じで仕上げないといけなかったが
出来る範囲内なら、どんな依頼でも断らないという方針で絵を描いているので、スターウォーズ風の不動明王の絵画制作のご依頼を引き受けた。
更に言うと最終的に掛け軸状にしたいようで、それに沿って絵を描かないといけない難しい依頼だとも思った。
とはいえ2ヶ月間も収入がなかったので、どんな依頼でも本当にありがたかった!
因みに光浄寺の散策ポイントとしては小さな仁王像がある山門や美しいお庭、裏山には西国三十三観音像があり本堂内には御前立(秘仏の代わりの仏像)がある。
【画材購入~ラフ制作】
翌日、画材店でキャンバスを買いに行く事にした。
新潟屈指の画材店があるスーパーセンタームサシ2階アークオアシス 新潟店で必要な道具を揃える事から始まった。
地塗り材のジェッソや完成した後に使うメディウム、絵の具・・
そしてキャンバス
ただ通常の木のフレームが付いているキャンバスは使えないのでロールキャンバスを買う事にした。
ロールキャンバスは木のフレームが付いていない木々地だけの状態のものでスタッフに言うと必要な分だけ切り分けてくれます。
縦120横50cm分のキャンバスを購入したぼくは早速ラフを描くためアイデア探しにネットで参考になる画像を探す事にした。
様々な画像を参考にした結果、両手で剣を持った姿の不動明王にしたぼくはご住職のLINEにラフ画像を送った。
ご住職は他にも顔のパターンが欲しいという事で、ネット上にある不動明王の仏画の顔を参考に6つ程描いた。
6つの顔の中から一つご住職が選び、その顔と両手を持った姿が完成形という事になった。
ぼくは絵を描く時、ネットで参考画像を探す事は結構ある。
配色や姿形など仏像を描いているが故にネットは最大限使っている。
本当に資料になる画像がたくさんあるので絵を描く人にオススメです。
【着色~完成までの道のり】
まず買ってきたキャンバス地にジェッソを塗っていく事から始まった。
これを2~3回まんべんなく塗っていく事で絵の具の発色を良くしたり出来る。
これで下地作りの完成だ。
因みに塗っていく時に使った画材はダイソーで買ってきた刷毛で、画材店で買うより安価だし使いやすいのが良かった!
次に下書きでラフを元に描いていく。
ただ、ぼくの部屋は四畳半しかないので作業机で一旦描いたら壁に画ビョウで張り付けて、崩れていないか確認しながら修正していく。
これは着色に入ってからも同じで全体的なバランスを見ながら絵を描いていった。
小さいサイズだと全体が把握しやすいので
バランスが崩れているか否か
分かるのだが四畳半しかない部屋で大きいサイズの絵を描くとどうしても把握しずらくなる。
という事で一旦張り付けて修正して描いていく。
その繰り返しをラフ~着色まで描いていった。
今回絵を描くにあたりスターウォーズ風という指定があったので使う色も青や紫、黒など青系で合わせていった。
因みに宇宙感を出すには、どの色を使うのか?というのもネットで映画のポスターで使われている色を参考にしました。
また、不動明王に使われる色を全て塗った後、重ね塗りをしてグラデーションを作っていくのだが
部分的に完成させながら描いていく事にした。
大きい絵を四畳半の部屋に置いてある作業机の上で描くと全体的に重ね塗りをする事自体、難しいので
ジグソーパズルのように部分的に終わらせていく事で完成が見えてくるし、作業的にもやりやすくなるのだ。
因みに絵を描いている時、集中力を高めるため普段音楽を聴いたりしているのだが、テーマがスターウォーズ風だったのでスターウォーズのBGMを聴きながら絵を描いていた!
【不動明王完成!】
なんだかんだで不動明王のアクリル画は二週間位で完成した。
絵は全て描き終えると全体的にメディウムを塗った。
メディウムはヒビ割れ防止の為に使っているが、絵全体を固めた為ロール状にしてお寺へ持って行った時もヒビ割れ等なく問題なく渡す事ができた。
依頼品の不動明王を見たご住職は大満足!
話を聞いてみると表装されるのはまだまだ先の事で
掛け軸状にするのか?額装するのか?
表装師と相談して決めるらしかったが、お寺に展示する事が決まったら行ってこの目で見てみたいと思います。
今まで頂いた絵の依頼の中で一番サイズが大きく、実際にお寺の中に飾られたらどうなるのか?
ぼく自信も楽しみなのであります。
今回突然の大きな不動明王の絵画制作となったけど、いつの日か今回よりも大きな絵の依頼がやってくるのかもしれません。
そして恐らく今回描いた不動明王の絵はお寺がそこにある限り何世代にも渡り受け継がれていくのではないか、と思うと大変意義のある事をしたのだと思いました。