今回取材に訪れたのは阿賀野市北本町にある長楽寺
長楽寺は阿賀野市の歴史を語る上ではかかせない水原代官所の菩提寺であり境内には代官所関係者の墓石が数多く残されている。
また、蒲原三十三観音の最終札所であり新潟県重要文化財の阿弥陀如来像がある曹洞宗のお寺である。
今回はそんな長楽寺のメンタルケアの資格を持つ副住職のりぎょうさんにお話を聞いてきましたので、ご覧下さい。
【長楽寺の歴史】
能満山(のうまんざん)長楽寺(ちょうらくじ)は文安年間(1444~1449年)に出湯温泉がある華報寺を開いた大庵梵守禅師が元々真言宗のお寺だった長楽寺を中興(衰えたものを復興させる)し曹洞宗のお寺に改宗
阿賀野市で早くから開かれたお寺であり江戸時代には水原代官所の代官の菩提寺として境内に関係者の墓が立てられた。
また寛永16年(1639年)この時代の長楽寺住職は蒲原三十三観音三十一番札所の東陽寺や三十二番札所の大雲寺を開山した。
因みにこの時の住職は徳川家康の息子である松平忠輝公の家臣小林茂介が仏門に入り長楽寺の住職となっている。
■住所
〒959-2015
新潟県阿賀野市北本町4-41
【地図】
【長楽寺の見所】
境内に入ろうとすると朱色に彩られた山門が目に止まる。
この山門の中には立派な造りの仁王像が立っていて元々真言宗のお寺だったので朱色はその頃の名残である。
この山門を抜けると本堂や庫裏があり山門から見て左側には代官所関係者のお墓や秋葉大権現(火の神様)がある
本堂内には県の重要文化財の阿弥陀如来の仏像(鎌倉時代)や平成3年に描かれた輪廻図
平安時代末頃に作られた地蔵菩薩や鎌倉初期の不動明王、聖観世音菩薩の仏像などがある。
【年中行事】
■正月三が日の大般若(住職とりぎょうさん)
■一月4.5.6日、年始回り
■春彼岸棚経
■4月の第三日曜、花まつり祈祷会
■8月1〜12の施餓鬼会(主に住職とりぎょうさん)
■お盆棚経
■秋彼岸棚経
■11月上旬檀信徒さんと日帰り研修旅行
■12月大晦日除夜の鐘と法要
【龍源寺について】
長楽寺が兼務している龍源寺(長楽寺の末寺)の創建は寛文8年(1668年)長楽寺十一世が開山。
水原商店街の中にあるお寺で境内に地蔵尊、本堂には本尊の釈迦牟尼仏、十六羅漢像等がある。
■住所
〒959-2021 新潟県阿賀野市中央町2丁目11−7【地図】
【副住職のりぎょうさんにインタビュー】
●お坊さんになった理由とは?
一番は実家だからというのがあるが必ずしもお坊さんになりたかったという訳ではなく、以前は警察官になりたいと思っていた時期があった。
だが実家がお寺という事もあり檀家さんのお婆さん達とふれ合う中で
将来お坊さんになってね、という檀家さんの想いに応えたいという風になっていった。
●修行時代の話
大学の時に竹友寮に入り学校に通いながら修行と同じような生活を二年間送っていた。
竹友寮は厳しくて上下関係など色々大変だった。
卒業後横浜にある大本山総持寺に一年間修行。
修行後は東京のお寺へ半分修行のような形で働きながら住み込みで六年近く在籍し、その後長楽寺に戻る事になった。
修行がどのようなものだったかというと、曹洞宗なので坐禅メインだが『食べる事』も修行であり『掃除をする事』『寝る事』も修行。
また色々部署があって受付係や法要する係などの役職があって色んな修行している。
●お坊さんになって良かった事
多々あるけれど檀家さんや地域の方だったり多くの方とふれ合う機会があってお話出来るのが大きいと思う。
また仏教を学ぶ機会が多くて勉強になり、学ぶと他人にも優しく出来る。
助けて助け合って生きないとという気持ちにさせてくれるのも、お坊さんになったからだと思っている。
●日々大切にしている事
何気なく過ごせる日常というのが、やっぱり大事なのではないかと思う。
普通に朝起きて掃除をしたりお経詠んだり子供達と一緒に入れるという何気ない日常が一番大切なのではないかと思う。
日々少しずつではあるけれど勉強しながら成長していこうという思いは大切にしている。
●六斎市でお茶処をするキッカケ
阿賀野市水原では水原六斎市という300年あまりの歴史がある露天市場が四、八のつく日に天朝山公園裏手で開催されているが、若手のお坊さんが集まってお茶処を開いている。
きっかけはりぎょうさんの親の年代もやっていた、という話もあるが同じ年代のお坊さんが5~6人いるから何かしようという話になり
六斎市で地域の方々とふれ合いの場を作って地域貢献を出来ればと思って始めた。
参加しているお寺は水原を中心にした若手の方(9人)がいるお寺さんが参加。
開催日は毎月8日だが土日に六斎市がある場合等は14日に伸ばしたり不定期開催となっている。
●これからやってみたい事
秋に坐禅会(2022年8月現在)を始めようと思っていて気軽に話せるような場を設けて地域の方と交流したいな、という事もあるし
檀家さんと話あった中で出た意見で婚活イベントのようなものをお寺でやってみたいと思っている。
計画中ではあるがお寺も段々後継ぎがいなくなった事や企業や会社をやっている檀家さんから後継ぎに対して心配の声が上がった事がきっかけで
出会いの場として婚活イベントをやっていきたいと思っている。
●お寺の衰退について
根本的に過疎化があり、人口が都会に出てしまっているし子供の数も減っているので
ある程度しょうがない部分もあるけれど、その中でいかにお寺に足をはこんでもらうように出来るのか?を考えている(婚活イベントのような)
墓じまいもあるけれど、人が減っても仏教の教えというのは日々大事にして伝えていかないと思っている。
【まとめ】
長楽寺は阿賀野市で最も古いお寺であり水原の歴史を物語るお寺でした!
また阿賀野市には蒲原三十三観音の札所のお寺がいくつもあり、一体どのようなお寺なのか取材に行ってみたいですね。
ぼくのお寺を巡る旅は続きます。ではでは…