火祭りに護摩行!『木津のお薬師さん』と呼ばれる光明院薬師堂とは

今回ぼくは初となる真言宗のお寺の方にインタビュー取材する事が出来た。

 

そこは新潟県江南区木津にある『木津のお薬師さん』と呼ばれる真言宗醍醐派の光明院(こうみょういん)の薬師如来を祀った薬師堂だ。

 

このお寺を知ったきっかけは新潟県内の真言宗のインスタグラムを調べている内に光明院薬師堂を知り

 

DMで取材をお願いしたところ許可を頂き副住職さんにインタビュー取材する事が出来ました。

今回も例のごとく色々お話をお聞きする事が出来たので、ご覧下さい!

 

【木津と光明院薬師堂の歴史】

中世の頃、木津周辺は会津との材木の商いがあった事から木の津=木津と呼ばれるようになったようです。

 

材木産業で栄えた木津は沢山の坊所があったが戦や大洪水により荒廃してしまい

如来寺の本尊の薬師如来も何年もの間、地中の中に埋まった状態になっていました。

 

慶長年中になると護摩堂山城の城主の家臣三名が荒廃した村を復興しようと訪れた時に

空が吉兆の印である紫雲になり霊香が漂ってきたそうな。

 

そして地中に光輝く場所があったので掘ってみると薬師如来の仏像が見つけだされ

ここにお堂を作り薬師如来を祀って信仰するようになりました。

 

また、薬師如来があった場所は水が涌き出て池となって御手洗の池として呼ばれるようになった(ここの水で身体の悪い所を清めると御利益が得られる事から。特に目には善い)

 

※光明院薬師堂パンフレットを参考。

御手洗の池には薬師如来を見付けた三人の遺徳をたたえ三柱鳥居が立っている。

 

■光明院薬師堂HP(FB)

■住所

新潟市江南区木津1-13-16

瑠璃光山光明院薬師堂までの地図はこちら【地図

 

【薬師堂内部の見所】

薬師堂の中に入ると先ず目に入るのは巨大な提灯、そして天井に描かれた美しい天井画だ。

護摩行が行われる本尊の両隣には日光菩薩、月光菩薩、十二神将が祀られている。

彼らは薬師如来の眷属で意味として昼と夜に分かれ日光菩薩が一日の半分、月光菩薩が夜を

十二神将がそれぞれ二時間を護って合わせて二十四時間(1日)を護っているという事になる。

新潟市の指定文化財に指定されている本尊の薬師如来(平安後期~鎌倉前期制作、行基菩薩作)は秘仏で普段拝観出来ないが

5月7、8日の春期大祭と11月7、8日の秋期大祭に薬師如来のご開帳が行われる。

お堂の奥には十二天の仏画がかけられ不動明王の仏像も祀られている。

【年中行事】

薬師堂のパンフレットによれば年中行事は以下の通り

■1月1日 元朝護摩行

■5月7、8日 春期大祭

■7月28日 19時より境内道場にて火祭り(火の上を歩く火渡り修行)

■9月7、8日 夏期祭

■11月7、8日 秋期大祭

■12月31日 18時から大晦日古札浄化祭が開催。

毎月8日午前10時より(12、1月以外)薬師堂では縁日護摩行祈願が行われている。

また毎月21日には写経会が午前10時より開催(12、1月以外)

【副住職さんにインビュー】

●醍醐寺での修行

お寺に生まれた副住職さんは一年間京都にある秀吉が花見をした事で知られる醍醐寺(醍醐派総本山)にて修行する事になる。

 

醍醐寺での修行は修験道(山岳修行)が主で

奈良の大峰山で崖の上から吊るされた紐を使って登ったり

 

醍醐寺にある不動の滝で水行やお経を詠んだり等

 

様々な荒行をこなさなければならない。

 

そんな荒行をこなしてきた副住職さんが大変だった事は

一年間修行道場から出られなかった事で、外の情報が全く分からなくなり正に浦島太郎状態。

 

また、特に冬に滝に入ったのはキツかったようで手がしもやけ状態になり手が曲げられない位大変だったようです!

 

●お坊さんになって良かった事

ご祈祷やお祓いをする事で、それを受けた人が気持ちが楽になった

 

と言っていただけるのが有難い。

 

●おすすめのお寺とは

特に一つのお寺に対してオススメという事はなかったですが、お寺ごとに特徴があって、そこが面白いとの事です。

●日々大切にしている事

ご祈祷で悩んだりしている人の相談を聞いて、寄り添えるような少しでも楽になって貰いたいと考えている。

●これからやってみたい事

火渡りを新潟市内の方などもっと広く来ていただきたいなと思っている。

 

因みに火渡りをする意味については

悪魔を祓って浄めた後、道場の真ん中に炉をくんで木を重ねて、ひばをつつむ(人間の煩悩を表している)

壇に火を着けて煩悩を燃やして、その中に願い事を書いた添え護摩木に願い事を叶うようにと祈りをささげ、日が沈んだら火の上を歩く。

 

これは火で悪いものを焼いて、また生まれ変わって元気になって貰うという意味がある。

 

●お寺を知って貰う為に必要な事・お寺の衰退について

発信力が足りないなと思う事があるようで

核家族化が進んでいく中でSNSを使って情報発信しないとだめなんじゃないかと思っている。

因みに副住職さんの修行時代の友人はユーチューブで法話を配信しているようです!

【まとめ】

今回ご紹介した光明院薬師堂は醍醐派のお寺で真言宗全体では豊山派や智山派など18宗派があり

新潟県の醍醐派の寺院としては新発田の菅谷寺や法音寺等がある。

 

ぼくはチベットやネパールを中心に旅していた事もあり

チベット仏教と同じマントラを唱え法要を行う真言宗の方とお会い出来たのは本当に良かったと思います!

 

県内の真言宗のお寺は少数派ですが、醍醐派、智山派など色々なお寺があるので、いつかご縁があったら取材してみたいですね。

 

真言宗に限らずですが、そのお寺ごとに歴史や特色など魅力があり、ぼくもまだ知らないお寺が県内には沢山あるので

お坊さんのお話を聞きにお寺に行った時はブログで紹介していくのでご期待下さい!

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