東北チベットのメワ(四川省紅原県)には1938年創建のニンマ派のメワ・ゴンパという大きな僧院がある。
またの名をダルチン・シェンチェン・チューコルリン(中国名は麦洼寺または万象大慈法輪林)
メワの象徴的なゴンパだが初めて行こうとした時はメワ~ゾルゲまでのチャーターした際、このゴンパまで別料金がかかるというので断念!
そのため、いつかは行ってみたいと思っていたので
今回の『チベットを旅する画家』であるぼくの旅でメワ・ゴンパに行ってみる事にしました!
【メワ(紅原県)までの道】
初めてメワに行った時はマルカム経由で朝6:50分発紅原行きのバスだった。
到着は確か11時半過ぎで乗り合わせた坊さん達に食べ物をもらったり美しい大草原の景色を見ているとあっという間の時間だった。
メワの町の印象は建物が沢山あるわりには人通りが少なくて
他のチベットの町に比べると寂しい印象だった。
そのためぼくはメワには何も無い!
と思ってしまい(ホントは沢山観光スポットがある)
早々とゾルゲに行ってしまうのだが、変わっていないという所がメワの魅力か。
二回目の訪問はアバ7時発で、まだ朝日が昇らない暗い山道をワゴン車タイプのバスは走っていく。
到着したのは、たった二時間後。
正直これには驚いた。
どんなに早くても三時間はかかると思っていたのに余り早く到着しても時間をもて余してしまう。
早く到着するならアバの15時発でも良かったとちょっと後悔。
で、早めに到着してしまったぼくがどうしたかというと
メワ・ゴンパに行く事だった。
郊外に行く時は車をチャーターする事が一般的でメワを含め
どのチベットの町でもだいたいバスターミナル周辺に客待ちしているオジサン達がいて近くに行くと声をかけてくる。
待ち歩きもそこそこに、ぼくはバスターミナル近くに行ってみると案の定チベタンが声をかけてきて
メワ・ゴンパに行きたいと伝えると(麦洼寺・万象大慈法輪林でも伝わる)
往復120元で行ってくれるとの事。
ホテルは帰ってきてから探せばいいか・・
と思ったが後にバスターミナルで衝撃の事実を知ってしまうのでホテル探しをやめることになる。
【とにかく大きいメワ・ゴンパ】
メワ・ゴンパは町の北東25キロ先にある阿木郷にあって有名な紅原の観光スポットなのか
道中『万象大慈法輪林』と大きな看板が出ている。
その看板がある山道を抜けると
ぼくの目の前に現れたのは巨大なチョルテン(仏塔)だった!
なんなんだろうね!あの大きなチョルテンは!
そして、どこまで続くんだろう?
と思うほどの寺院の塀。
広大な敷地の中に幾つもの僧房や金色屋根をいただくお堂の数々・・
もう到着してないのに圧倒されまくりだった!
車はドンドンと敷地内に入っていき大径堂前に到着。
中国の紅原を紹介した観光サイトによれば入場料30元との事だったけど特に取られる事は無かった。
ドライバーはここで待っているよ。と言うとぼくは寺の中心である大径堂に入って行った。
そもそも何故ぼくが寺に行くかというと寺の中にある壁画や仏像を見る為だ。
やっぱり絵を描く人にとっては壁画とかを見るのは良いインスピレーションになる。
それにチベットの絵師達が描いた巨大な壁画は本当に大したもんだ!
と思ってしまうほどクオリティが高い。
このメワ・ゴンパも同様で大きな寺の為か様々な種類の壁画で彩られている。
普通どのゴンパでも四天王・六道輪廻図があるのは基本で加えて(本堂の中にある場合もある)
仏教のありがたい言葉が出来るクロスワードや須弥山の壁画があったり無かったり・・
だいたいこういうのは写真撮影可能なのだけれど、このメワ・ゴンパはこれ以外にも
巨大な仏陀の壁画や子供を病から守る白傘概仏母、グル・リンポチェ、緑ターラー菩薩といった
基本的に撮影出来ない本堂の中にあってもおかしくない壁画がね!
沢山あるんですよ!!(;´Д`)ハァハァ
撮影できるっていうのは本当に有難い事ですよ、後で見返して絵の参考にしたり出来るので。
それと内部はどうなっているかというとヤマーンタカ系の護方尊の数々の壁画や巨大なトルマが並べられている中で
リンポチェとおぼしき高僧のありがたい言葉が大音量でスピーカーから流れる大径堂内で僧侶達が修行の真っ最中。
ぼくは邪魔にならないように勇み足で右回りに見学し大径堂を後にした。
寺院やチョルテン等を右回りにあるく事は神聖な事らしく
どの寺院に行ってもチベタン達は右回りで歩いている。これをコルラと言うようです。
因みにボン教の場合、左回り。
さて!外に出て辺りを見渡すとここが本当に大きな寺だと言う事がわかる。
大径堂から見えるのは広大な寺院の敷地・・。
前日にいたアバのキルティ・ゴンパでもそうだったけど
なんか・・・
デカ過ぎてよく分からない!!
まだ小さい寺の方がこじんまりして見ていて疲れないのだけど
こうも大きいと、どう表現していいのか・・
ぼくには分からない(T_T)
多分、外国人立ち入り禁止のラルン・ガルやアチェン・ガルはもっとよく分からないと思う。
一つ分かるのはチベタンの信仰心の強さがこうもデカい寺を造ったという事だった。
【チベタンが溢れる巨大チョルテン】
大径堂を後にしたぼくが向かったのは、到着してから気になっていた巨大チョルテン。
車で近付けば近付くほど、ホントにホントにこのチョルテンが大きいというのが分かる。
ぼくが撮った写真をよく見て欲しいのだけれど
チョルテンと比べてみても人がまるで豆粒のようだ!
チョルテン下には階段があって車はそこに到着。
遠くからではよく見えなかったけど、階段を上ってみると沢山のチベタン達が数珠を持って絶賛コルラ中!
なんか知らない内にドライバーもコルラ中になっていて彼を待っている間、ぼくはここから見える景色を撮った。
さぁ撮るものは撮った!メワに戻って明日のゾルゲ行きの切符を予約してホテルを探そう!
と思ったのだけれど思いのよらない方向に向かう。
【メワ~ゾルゲ間はバスが運行していない?】
バスターミナル内に行ってみると声をかけてきたチベタンがいたので
ゾルゲに行きたいと紙を見せるとバスが出ていないからチャーターしかないと言う!
嘘でしょ?
よく見てみると切符売場の上に小さな紙が貼っていて、それによれば
紅原~アバやマルカム、成都はあるもののゾルゲという文字はどこにも書いていない・・。
またチャーターですかー・・
こうして前回どうよう、ぼくはチャーターしてゾルゲに行く事になるのでした。
しかも、ぼくを待ち構えていたようにメワ・ゴンパに連れていってくれたチベタンと再び!
因みにゾルゲまでの料金は300元。
途中人を三人も乗せてドライバーと乗客のオバサンが何かを熱く語っていたので
正直チャーターとは違うような気もしたけれど、これでチベタンのドライバーが儲けれたのだから良しとするか・・。
と無理矢理思い込むけどゾルゲ到着までの二時間、車内でドライバーとオバサンの議論が延々と続き疲れた(-_-;)
それと紅原バスターミナル向かいにはチベット食堂があって、トゥクパ(15元)を食べてから出発しました。
【紅原に行くときの注意点とまとめ】
ゾルゲに向かわずにアバかマルカムに戻って計画を練り直した方が良かったと後々になって思ったので
もしゾルゲ方面に用事がなければ結構な出費がかかってしまうのでメワのみの観光をオススメします。
今回紹介したのはメワ・ゴンパのみだったけれど、メワ周辺には月亭湾という聖剣伝説(知らないか・・)
に登場しそうな湾曲した運河が見れる場所もあってオススメです。
ただし冬は寒いし河は凍っているので夏がベストなのは間違いが無いのだろうけれど。
恐らくぼくはもう、メワに行く事は無いし
仮に行くとしてもゾルゲ方面に行かないと心に誓うのだった。