瓦屋禅寺様からの秘仏御開帳記念のアクリル画制作依頼と個展秘話

滋賀県東近江市の瓦屋禅寺様からのアクリル画制作

 

 

それは突然舞い込んできた話だった。

 

 

仕事がなく途方にくれていたある日、ぼくのインスタグラムに瓦屋禅寺のご住職からDMがあった。

内容としては、絵の制作をお願いしたいとの事だった!

 

 

遠い滋賀からのお寺からの御依頼。

 

 

 

ホントに!?

 

 

とSNSから、このようなご連絡があったのに対し驚きつつ仕事がなかったので安堵感に包まれ一安心。

 

 

その後、ご住職とやり取りをし、詳しいお話を聞くため滋賀県に行く事になった。

 

ぼくが住んでいる新潟から滋賀までは休憩を入れて約7時間の道のり。

 

深夜12時位に出発したぼくは何度かの休憩を挟み朝7時位に多賀SAに到着。

 

多賀SA(下り)は大きなSAで宿泊や入浴ができ遠方から来る人にとってオススメな場所だと思った。

ここで休憩後、8時過ぎにご住職に連絡をいれ東近江市へ出発し

 

午前9時前に何とか到着したのだった。

 

【瓦屋禅寺からの御依頼】

東近江市にある臨済宗妙心寺派の瓦屋禅寺は聖徳太子が四天王寺建立の際に瓦を10万6000枚奉納したのが名前の由来となっている。

 

永禄11年(1568)には観音寺城の戦いで秀吉が攻め入り堂宇が焼失。

 

その後、荒廃したが香山禅師が瓦屋禅寺中興事業を尽力。千手観音像は病に御利益があるとされ全国から参拝者が訪れたとされている。

ご本尊は聖徳太子作の千手観音像(秘仏)で重要文化財に指定されており四天王や聖徳太子像、地蔵菩薩等の仏像が祀られている。

今回、この秘仏の千手観音像が50年ぶりにご開帳されるという事で、その記念として千手観音と四天王のアクリル画制作の程を承ったのだ。

ただ、この時は四天王の内、二体が修復中だったので直ぐに制作には取り掛かる事は出来ず、依頼絵のアクリル画制作を開始したのはご住職との出会いから4ヶ月後の事だった。

 

因みにご住職との打ち合わせの後、お寺を案内して頂いたのだが

本堂・庫裡・地蔵堂・開山堂・経堂・賓頭盧堂・鐘堂は国登録有形文化財に指定されており

地蔵堂にある竜の天井画や檜絵仏画は美しく小王身や梵王身等、ぼくの知らない神様達が沢山描かれていたのは勉強になりました!

また、本堂に巨大な涅槃図が掛けられていたのだが実は掛軸ではなく涅槃図を含む縁の部分まで絵師によって描かれている大作なんだそう。

秋には本堂がライトアップされ紅葉の名所として多くの参拝者が訪れる。

 

瓦屋禅寺公式HP

http://kawarayaji.com/

【千手観音のアクリル画制作】

ご住職から連絡があったのは異常ともいえる暑い日々が続いている7月下旬の事だった。

修復された四天王像の画像が用意出来たという連絡があり、その画像とクリアファイルにプリントされた千手観音を元に絵を描く事になった。

イメージとしては千手観音様を中心に四天王様が各方角に配置し曼荼羅のようにという注文だったので

お寺側のイメージを元にラフを完成させてから下書を描いていく事にした。

↑スケッチブックに描いたラフ

 

このラフでOKをもらいキャンバスに下書を描いていったのだが始めに描いた下書はボツになった。

その為もう一度、下書を書き直しをしたが今度はバランスが良くなり色付けを開始する事が出来ました。

あとは千手観音や写真の四天王像を元に顔や鎧の色を塗っていく。

特に四天王は修復されたとはいえ黒く古くなっている仏像の元々の色、デザインがどのような感じになっているのか?

 

 

自分なりにイメージして描いてみました。

 

 

千手観音像についても頂いた秘仏の千手観音像がプリントされているクリアファイルだけでなく

ご住職が送ってくれた江戸時代に描かれたお寺伝来の千手観音の掛軸の写真や個人的に参考になると思ったネット上にあがっている千手観音の画像を元に描いていった。

実は秘仏の千手観音で持ち物についてよく分からなかった事がありSNSで情報収集して

 

 

これじゃないかな?

 

 

と思う物を描いたりしました。

 

千手観音は仏像ごとに持ち物が違っているパターンが多く「千手観音の持ち物一覧」みたいなHPを見ても、あったりなかったりする事がある。

順番的には四天王を一人ずつ完成させながら最終的に千手観音を完成させる手順にしたのだが、サイズが20号の大きなキャンバスだった為

少しずつ完成させないと途方もない作業な気がしてならず精神的に楽な気がしたからだ。

背景はチベット風に描き空を宇宙をイメージして描いてみました。

因みに仏教では宇宙を三千大千世界として表し須弥山を中心にた世界を一世界

 

一世界が1000個集まったものを小千世界

 

小千世界が1000個集まったものを中千世界

 

中千世界が1,000個集まったものを大千世界。

 

大千世界を三千大千世界とも言われている。この世界は一人の仏が教化できる範囲であるとされている。

また、絵画制作は朝(10時位まで)と夜(22時過ぎから)という時間に限定して描いていた。

理由として特にこの年の夏は猛暑続きで日中、絵が描けるような環境ではなく扇風機しかない四畳半の部屋で絵を描くのは非常にキツかった。

 

日中は図書館に行ったり近くの山にある滝に行って滝浴びしたりして涼をとっていましたね。

 

ただ7月下旬に観音寺で開催した展覧会「お寺でアート」内でライブペイントと称してエアコンの効いた部屋で半日位は絵を描き続けた事が出来たため

 

1ヶ月で絵が完成出来たと思います。

 

完成後、クリアファイル等の商品化にしたいという事で写真を撮り着払いで発送したのだが

どうやらヤマトでは何かあった時の事を考えアート作品は送る事が出来ないようだったが営業所の責任者の判断で保証なしで送る事が出来ました!

観音寺での展覧会の記事↓

お寺で展覧会を開くには?会場の見つけ方やチラシ作りを紹介!

【瓦屋禅寺での個展】

秘仏ご開帳記念の為、瓦屋禅寺で3人のアーティストによる個展が開催される事になった。

ぼくがトップバッターで10月9日~31日までの間「宮下拓実展(現代アクリル仏画)」として庫裡で開催した。

 

その為、準備・片付けの為に滋賀に2回行く事になった。

 

 

先ず8日に個展準備の為、新潟を早朝に出発。

 

 

約束の時間は夕方であった為、早く着いたら何処かお寺に行こうと思っていたが富山で重大事故の為、高速が使えないという事で下道を走り

また通れるインターから乗らなければならず、日程が狂ってしまった!

 

下道におりて開いている富山インターを見つけるまで一時間はさ迷っただろうか?

 

ナビを頼りにしても通告止めのインターを目指そうとするので地元の人に聞いて何とか富山インターにたどり着いた。

そんな事もあり14時半過ぎ位にお地蔵さんが沢山ある事で有名な滋賀県の金剛輪寺に到着。

一時間位、境内を散策した後、東近江市のグリーンホテルにチェックインし早々に瓦屋禅寺に向かった。

 

お寺に到着後、作品を庫裡に搬入し展示する事になった。

 

 

ここでの展示座業で、ぼくは画家としてまだまだだなぁ

 

 

と思い知らされる事になった。

 

 

というのも始め単調に作品を展示したのだが

 

 

絵というのは、ただ単に飾ればいいのではなく

 

お客様目線で、どの作品が先ず目にいくのか?

 

単調に絵を飾っていないか?

 

飽きさせない工夫がなされているのか?

 

仏の種類的に相性のいい仏画同士を展示されているのか?

 

等が必要という事をご住職に教えて頂いたのだ。

 

教えてもらった後、作品を全て外し、もう一度展示する事になった。

ご住職の手直しも入り完成したのがこちら。

目線を重視した展示方法だけあって自分の作品だが見飽きる事のない展示だ、と直感的に感じました!

 

“絵を描く”という事だけでなく“見せ方”というのも学ばなければならないな、と思いました。

 

翌日、個展が始まるのでお寺で在廊する事になったのだが

 

秘仏ご開帳という事もあり沢山の参拝者の方が個展に来ていただきました!

反応もよく絵を見てくれる方が結構いたので絵が売れるのでは・・

 

 

と、思ったのだが

 

 

二週間後に再び瓦屋禅寺に来た時、一つも売れなかったという事実を知った時は非常に残念だった。

ただ開催中にSNSのフォロワーさんや新たに繋がった人がいた事や絵が商品化された事

前日に竜王町の竜王観音寺様から境内図の依頼を頂いたという事、ご住職から評判が良かった黒不動のアクリル画を購入して頂いた事は嬉しかったですね。

また隣の部屋で開催されていた仏像展は沢山の小さな仏像が展示されていて絵のアイデアになるような仏像があったり興味深く拝見致しました。

16時位になると参拝者もいなくなり個展の撤収作業に取り掛かる事に。

 

あれだけ時間をかけ展示したのに売れなかった作品を一つ一つ外していくのは、とても寂しいものだった。

 

その後、翌日に個展を控えている滋賀県の水彩画家の谷口隆雄さんが準備の為に訪れた為

早々と後片付けを済ませ、ご住職と別れを告げるのであった。

 

【まとめ】

今回の瓦屋禅寺様からの御依頼はぼくにとって貴重な経験であったというのは間違いがないと思います。

はるか滋賀の地からお仕事を頂いたという事やお寺で個展を開催したという事は今後の画家活動に活かせると思いました!

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