成都観光

日本好きなチベット人彫師がいる中国四川省のタトゥースタジオとは?

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ダルチェンド(四川省康定)出身のチベット人タトゥーアーティスト、サキさんとの出会いはSNSだった。

彼は中国のタトゥースクールで刺青を学び現在は四川省成都でタトゥースタジオ『吾瞳里刺青』を構えてる。

場所は成都の新南門の南に位置する鉄像寺街というエリアのモンゴル料理店の近くにある。(タクシーで40元)

『吾瞳里刺青』は日本的な門構えをした怪しい雰囲気のスタジオでパンダの人形が出迎えてくれる。

タトゥーの施術代は日本円で8000円程(大きさに値段がよって変わると思うが)

ぼくはタトゥーに詳しくないので高いのか安いのかわからないけど

その金額でチベット仏画と日本の浮世絵をミックスしたようなタトゥーを施している。

■『吾瞳里刺青』住所
四川省成都市武候区高新区鉄像寺街177号附119号

 

【中国在住者と連絡を取る方法】

何故サキさんと会う事になったかというと、彼からチベット仏画の資料を見せて欲しかったからだ。

ぼくは画家として活動しているので彼と会う事で何かインスピレーションを得られるのではないか?

 

そんな風に思ったぼくはチベット旅の際、サキさんと会う約束を交わした・・。

 

 

というのは建前で今だから話せるのだけれど、ちょっとした行き違いから始まった。

 

 

それはある日ぼくの元にサキという名前のチベット人から連絡が入った。

 

 

内容は仏画の本を見たい?

 

 

というような話だったが、この時メッセージは全て英語だったせいもあってか

 

 

ぼくは本を売り付けられている!

 

 

という大きな勘違いをしてしまい(ぼくは英語がよくわからないので)

それなら四川省に行った時、サキさんと会って実際の本を見てから買うか買わないか判断しよう!

と思ったのだ。

 

でも実際はさっきも話した通り本を見せたいという、それだけの話だったのだけれど(^-^;

で、ぼくはそのメッセージのやり取りをしていく中で彼のwechatのI’Dを教えて貰い、そこで初めてぼくが勘違いしていた事に気が付いた。

 

wechatというのは中国版LINEの事で中国に住む人と連絡を取るには欠かせないコミュニケーションツールとなっている。

 

サキさんのメッセージから送られてくるのは大量のチベットの仏達の画像・・

 

 

ぼくは間違っていた!

 

 

色々な国を旅をしていると日本人=お金持ってるというイメージもあってかすり寄ってくる外国人も多い。

そういう事が度々あるのでメッセージであっても警戒していたんだと思う。

 

という勘違いで実際会う事になったけれど

四川省在住のアーティストの方と友達になれるチャンスがやって来たのはSNSをやっていたおかげなのは間違いない。

 

因みにInstagramやTwitter等世界中で使用されるSNSは中国の金盾と呼ばれる情報管理システムによって厳しく制限されている。

これを破る方法はあるのだが通信速度が遅かったりするので基本的に中国で普及しているSNSを使う事なる。

ぼくのように英語が出来ない人にとってこのwechatは実に使い勝手がいい。

 

他のSNSと違い言語を自動翻訳してくれるシステムが入っていて

そのおかげで英語わからないぼくでも、何とかコミュニケーションが取れた。

 

といっても完璧に翻訳してくれる訳でもないので時には意味不明な言葉になったりするが

それは何となく。翻訳された言葉の意味をくみ取って解釈すれば意外にも当たっていたりする。

 

【タトゥースタジオ吾瞳里刺青】

四川省に友人と共に旅立ち成都博物館や武候祠など観光地巡りをした後、パンダホステルでサキさんと会う約束を交わした。

 

 

会ってみると彼は自分はヤクザだ!

 

 

というチベタンジョークを交わすようなひょうきんで明るい人だった。

その後、一緒に街歩きをしたりディナーをとったりして遊び一旦サキさんとは別れた。

その時の事はこちらの記事で書いてます

夜こそ行って欲しい!実はディープな成都のチベット人街と锦里散策

翌日ぼくは友人と別れ東北チベットの町を巡り沢山のお寺に行き壁画等を見て歩いた。

現在チベットには文革で寺が破壊され事もあって古い壁画は殆んど残っていないのだが
新しく描かれた壁画も見応えもあって絵を描くための参考になるので、ぼくは旅をしている。

 

 

さて!

 

 

壁画散策の目的を終えたぼくは成都に戻りサキさんのタトゥースタジオに行く事になった。

新南門~鉄像寺街までタクシーで20分もあれば到着できるのだが行きは運悪くメーターのついてないタクシーに乗ってしまい80元かかってしまった。(帰りは正規のタクシーに乗り40元)

 

中国のタクシーは日本と同じように普通のメーターがついている車なら料金が分かるのだが

時より付いてない車や白タクなんてものもあるので、ぼられてしまう事がある。

 

特に空港から成都市街は要注意!

 

話がそれてしまったが夜9時過ぎに吾瞳里刺青に到着。

スタジオ内では丁度仕事の打ち合わせが終わった所で彼の友人との挨拶が終わった後、本題のチベット美術の本を見せてもらった。

サキさんが持ってくる本はどれも日本で紹介されないような仏達が載っている本ばかりで興味深かったし

モンゴルのチベット仏教模様が紹介されている本は装飾的な絵を描いているぼくにとって凄く参考になった!

サキさんは仕事が一段落したのかパソコンに向かい北斎や国芳の浮世絵を調べていた。

彼は浮世絵のファンでぼくがチベット仏画から絵のイメージを得るように彼も浮世絵からイメージを得ているんだと思った。

 

絵やイラスト、タトゥーデザインもそうだと思うが無から有は生み出せない。

 

やはり何かを見てきた事によってイメージが膨らみ、それを絵に表現しようと思うからこそ創作物をつくれるのだ。

 

 

その点サキさんは非常に勉強熱心で後日聞いた話によると48時間寝ないで浮世絵を調べていたんだそう。

しかもその話を聞いたサキさんは寝ていないのに恐ろしい程元気というタフさだ。

 

 

ぼくならどんなに好きでも一日も持たないと思う・・。

 

さて、この吾瞳里刺青だが一つ問題がある。

 

 

実はトイレがない!

 

じゃあトイレに行きたくなったら何処に行けばいいんだよ!

と思うかもしれないが、トイレは近くのモンゴル料理店で使用させてもらっている。

顔が利くのかサキさんと一緒に行くと特に何か言われる訳でもなくトイレに案内してくれた。

 

鉄像寺街のチベット人、モンゴル人社会では有名な人なのだろうか?

 

タトゥースタジオに戻るとぼくは仕事場が気になったので案内してもらった。

仕事場は二階にあり手間の部屋に施術台が一つ。奥の部屋に施術台がもう一つ置かれていた。

施術台の隣には鏡とタトゥーを施す時に使う器具。

メイドインアメリカらしく様々な種類のタトゥーマシーンが並べられていた。

 

ぼくはタトゥーを施す事は無いと思うが(温泉が好きなので)聞いたら、痛いとの事(当然か)

 

【サキさんが彫師を目指した理由】

ぼくはサキさんに何故タトゥーアーティストになったのか?

 

という事を聞いてみたかった。

 

絵で表現するならタトゥー以外にも仏画絵師、イラストレーター、デザイナー等他にも沢山あるからだ。

だが聞いてみてわかったのは質問自体が間違っていたという事だった。

 

ぼくの素朴な質問にサキさんは答えた。

 

 

 

産まれた時からタトゥーが好きだったのさ。

 

と。

 

 

ぼくも何故絵を描いているのか?

 

 

と質問されれば絵を描く事が好きだから。

 

 

頭の中で想像した事を形にする事が好きだから。

 

 

だから絵描きとして食べていきたい。

 

 

と答えるだろう。

ぼくはそれ以上聞かなかったけど、彼は物心ついた時にはタトゥーが好きになっていて

それが仕事として形になったんだと思った。

 

また話の中で驚いた事があった。

 

それはサキさんはチベット仏画が嫌いだという事。

普通に考えて信仰心が高く伝統を大切にするチベット人がチベット仏画が嫌いというのは意外な答えだった。

ただよく考えてみれば表現者として伝統的なチベット仏画というのはつまらないものなのかも知れない。

 

ぼくは反対にチベット仏画が好きで本も沢山買ったりしているが、それは海外の仏教美術だからこそ。

日本にいても寺を熱心に巡って仏像を拝観しに行くという事は殆んどない。

 

それは日本の落ち着いた色合いの仏像にひかれないというのが大きい。

カンボジアや韓国に行った時も仏像を見てきたが、やっぱりチベットなのだ。

 

ぼくにとってチベットの極彩色の仏像、壁画、文化こそ絵のイメージを高めシャンバラ(理想郷)へと導いてくれる至高の存在だ。

 

【海外のタトゥー事情】

サキさんが入れるタトゥーはSNSで公開されているが画像を見る限りチベット的だ。

そういうデザインのタトゥーを施すという事は国によって受けのいいデザイン等があるのだろうか?

 

絵にも言える事だがネパールといった宗教が日常に溶け込んでる国では仏画や曼荼羅がギャラリーから顔を覗かせる。

 

ネパールにもタトゥースタジオが外国人が多いタメルを中心に何軒かありデザインもやはり曼荼羅的だ。

 

一方オーストラリアに行ってみると日本よりファッション感覚で入れている人が多いためか

ロックなデザインを入れている人やドライバー、文字等様々なタトゥーがあった。

以前バイロンベイでライブペイントを一緒にした画家のパウルさんに至っては全身にタトゥーが施された気合いの入れようだ。

こういったタトゥーが一般的な国では一つのアートとして認知されているのかも知れないが

大半の日本人からするとタトゥー、特に背中に不動明王や龍等を入れた人=ヤクザなイメージが強いため印象として悪いのではないだろうか。

 

ぼくはタトゥーが嫌いという訳では無いが、たまに温泉で背中に刺青を彫った年配の男性を見るとそのスジの人ではないかとゾッとする。

 

こういうネガティブなイメージがあるせいかサキさんは、それは残念な事だと嘆いていた。

因みに日本の隣、韓国でも刺青はネガティブなイメージがあり韓国人の彼女がいるサキさんから教えてもらった。

聞いた話によると韓国では刺青は罪人に施された印であり、そのイメージがあるので韓国でも良いイメージはない。

実は刺青=罪人のシンボルというのは日本でも同じ事で江戸時代に軽微な犯罪を犯した人に刺青を施したという事がある。

今では刺青=ヤクザみたいになっているが元を辿ると犯罪者のシンボルという事から来ているのだ。

 

【まとめ】

今回初めてタトゥースタジオをという場所に行ってみたけど、そのスジの人が集まる怖そうな所という訳でもなく日本好きなサキさんの影響もあって

カオナシやトトロのぬいぐるみが置いてあったり仏画の資料が沢山あったりと意外にも居心地のいい場所だった。

 

またサキさんもとても親切でぼくの事を「兄弟」と言ってくれた事が嬉しかった。

 

ちょっとした勘違いで繋がってみたら繋がった事で中国でチベット人の友達が出来たというぼくの夢が一つ叶ったのは

 

チベットを求め続けたからではないだろうか?

 

サキさんが眠れないほど浮世絵が好きで、それが人生だと語ったように

一つの事を求めれば運が巡り巡って何かチャンスを掴めるキッカケがやってくるのではないか?

たまたま連絡してきたサキさんとの出会いでぼくはそんな風に思いました。

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