
ぼくは今まで曹洞宗を中心に色々なお寺の境内図を描いてきたがトップクラスで難しく規模としても一番大きかったお寺からの依頼があった。
そのお寺とは福井県越前市にある宝円寺である。
福井県にあるお寺を調べていた時にたまたま宝円寺を紹介しているサイトを発見。
行った方の写真等を見ると沢山の仏像やお堂、巨大な池があったり通常のお寺とは雰囲気が違っていて、まるで仏教テーマパークのようだった。
そんなお寺に興味が湧いたぼくは
ある冬の日、福井県越前市に行く事にした。
目的はお寺に画家活動の話をしに行く事で、突然のご訪問だったが運よくインスタグラムのフォロワーである越前市にある金剛院様から境内図のご依頼を頂く事ができたのだった!

その後、近くのスーパーでお昼をとり件の宝円寺に行ってみる事にした。
宝円寺は住宅街の中にあり民家の中を車で走らせると突然、広大な敷地を有するお寺が姿を現すのであった。
早速、駐車場に車を停め境内に入ってみると沢山の仏像に大きな池…



凄すぎる!
凄まじいパワーに圧倒されたぼくは、境内全てを見る事なくスゴスゴ退散するのであった。
【見所満載の太白山宝円寺】
太白山宝円寺は直伝正祖禅師が開山した曹洞宗の寺院で、御本尊は釈迦牟尼、脇立には文殊菩薩と普賢菩薩が祀られている。
天正元年(1573年)に織田信長の焼き討ちにあい寺が全焼。宝円寺第七代住職の大透圭除禅師は廃墟となった宝円寺の復興に務めたと言われている。
その後、前田利家の帰依により中興の開基となった。境内には前田利家の父親である前田利春(利昌)の法体石像と母親の長齢院の宝篋印塔が供養塔として祠堂に安置されている。

三門楼上には弥勒菩薩と五百羅漢が祀られており、その下には仁王像と正面には大きな天狗の面が掛けられている。

三門前には平成十六年に建立した十三佛堂があり、内部には富山県の仏師である関善幸作の釈迦如来と長田晴山作の他12体の仏像が祀られている。

境内にある厄除楊柳大観世音は大正12年に起きた関東大震災の後、第34代住職の洞順和尚が大正13年7月に法華経と阿弥陀経を写経した数万石を埋めて大観音を建立。胎内には大隈重信の念持仏が納められている。

山門を出て直ぐの所には微笑延命地蔵尊、その通りを歩いていくと立待地蔵尊が安置されている。また、宝円寺隣にある八幡神社はかつて宝円寺が管理していた神社である。

他にも境内には七福神や閻魔大王、わらべ地蔵、お稲荷さん等、数多くの見所がある。

因みにご住職に会いに庫裏に行ったのだが、お会いする事は叶わなかった。
後日調べた所によると、宝円寺住職である桑原伯州さんは東京の児童養護施設の施設長で普段は東京に住んでいるようでした。
太白山宝円寺
住所
〒915-0832 福井県越前市高瀬1丁目25−4
【地図】
福井を後にしたあと、滋賀県高島市マキノ町にある長善寺に伺った際、ご住職とお会いする事ができ幸運な事に持参した絵を買って貰う事ができました!
こうやって絵の依頼や絵を買ってもらう事が出来たのは、お寺をアートで盛り上げたい!と自分の考えをまとめた資料のおかげだと思う。
因みにマキノ町を後にしたぼくは東近江市で1週間位、滞在したがお寺さんからご縁を頂く事は出来ず、新潟に戻る事にした。
【突然舞い込んだ宝円寺境内図の依頼】


新潟に戻ったあと金剛院境内図の制作に取り掛かり1ヶ月と1週間位で完成(ちょっとうろ覚え)
依頼が終わった後、金剛院境内図のコピーと資料を宝円寺住職の桑原さんが勤める東京の児童養護施設宛に送る事にした。
送ってしばらくした、ある日の事。
ぼくの携帯に知らない電話番号から電話がかかってきた。
恐る恐る電話をとると、なんと桑原さんからだった!
話を聞いてみると境内図を描いて欲しいという嬉しい内容で春が始まろうとする4月下旬にお寺でお会いする事になった。
約束の日の前日、新潟から福井に向かったぼくは鯖江市にあるビジネスホテル「おさむら」に宿泊。
このホテルは鯖江駅向かいにあり鯖江市周辺のホテルの中では一番安く、スーパーも徒歩圏内なので個人的にオススメです。
http://www.osamura.jp/smarts/index/1/
翌日、金剛院を訪れ、ご住職と挨拶を交わし額に収まった境内図を鑑賞。緑が生い茂っている金剛院は1月下旬に訪れた時とは違った雰囲気があり心地の良いものでした。
その後、お昼になり約束の時間近くになったので宝円寺に向かった。
駐車場に車を停め、境内に入ったが
やはり宝円寺の存在感はすごかった。
桑原さんとお会いし、正式に依頼を頂いたあと、お時間のない中だったが境内全てを案内して頂いた。
このお寺を描くことになるのか…
自分から願い出た事だが、あらためて来てみると、膨大な作業量が予想できる境内を見た時、簡単には完成出来ないという事が明らかだった。
だがしかし、ご住職の期待に応えなければいけない。
ぼくはこぼれ落ちる事がないよう境内を撮影した(それでも制作中、欲しい写真は色々でてきてしまったが)
境内図制作は写真と動画をもとに頭の中で境内をイメージして描くのだが
今回は敷地が広く描かなければいけないものが沢山あったため800枚以上の写真をもとに描く事になった。
【3ヶ月間かかった宝円寺境内図】
新潟に戻ったぼくは早速、お願いされたB2サイズの境内図制作をする事に。
初めにラフを描くのだが、これが1ヶ月近くかかってしまった。

アルバイトと他2つのお寺様からの依頼があり中々時間がとれなかったというのと広大な敷地を絵にするのは、やはり難しかった。
他の境内図もそうだが、絵を描く時、撮影した写真とグーグルマップで配置等をよく見るようにしている。
またグーグルマップを開いたままスマホを傾けて実際に絵にした場合、どのような形になるのか(頭の中で3D化)を想像する。
宝円寺もこうした方法を使いボードに描いていったが情報量が凄く、どこから描いていったらいいか分からなかったため区画ごとに絵を描く事にした。
例えば本堂エリア、神社エリア、池周辺エリアといった具合に各場所ごとに描いていく事で頭の中で整理して描く事ができた。
ラフが終わると下書に入ったが、終わるまで下書も1ヶ月はかかった。
時間がかかってしまうのは写真を見ながら描いているからなのだが800枚以上もあると見たい写真が中々見つからず制作に移れない、という事もあったりする。

その後、ペン入れ〜色付を行い完成させる。


後半は作業の事よりも実は作業環境がしんどかった!
この年の6月〜7月は例年に比べて暑くエアコンのない部屋で絵を描いていくのは厳しかった。その為か気温が低くなる夕方〜夜に描く事が多くなった時期でもあった。
やはり夏に絵を描くのはエアコンのある部屋で描きたいと本当に思う。
【まとめ】
今回、宝円寺様から境内図の依頼を頂いたが
これほどまでに規模の大きな寺の依頼はこれから先ないと思うので作業は大変だったが貴重な経験だったと思う。
また宝円寺様や金剛院様のような見所の多いお寺さんにお参りに行った際はブログで色々紹介しようと思います。
ではでは…


