残暑が酷しい夏の終わり、
ぼくはバイクに股がり山に向かった。
目的は木や森のスケッチをする事!
ぼくはボールペンでよく別世界の巨木の絵を描く事があるのだが
実際の木や森のスケッチをする事で何か別の表現方法があるのではないか?
イメージが膨らむのではないかと思い、その期待を胸に
ぼくは温泉で入りサッパリした後、鬱蒼とした深林にわけいりスケッチする場所を探しに行きました。
場所は阿賀野市の村杉温泉近くの森の中。
妖精が出てきそうな森に流れる小川のせせらぎを聞きながら
ぼくは目の前に広がる緑の世界をスケッチブックに描き写しました。
蝶々が舞い大自然の中でのスケッチは本当に気持ちのいいものでしたね!
ぼくは森を描きあげると次に樹齢何百年もたつであろう古の巨木を探しに、その森から離れましたが
この記事では木・森スケッチの様子や描き方をまとめましたので、どうぞご覧下さい!
*今回ボールペンを使った描き方で話を進めていきます。
【木や森の描き方】
森を描いてわかったのは木というのは様々な種類があって一つ一つ表現が違うという事ですね!
地面から放射状に伸びている木
真っ直ぐ伸びている木
草が木に巻き付いている木や倒木、枯れ木などで森というのは構成されています。
しかし共通している部分もありました。
それは木には根があって幹がある(根が地中に埋まっている木も多い)
その幹は上部に向かっていくごとに細くなり、そこから枝がわかれ葉っぱをつけているという事です。
正直この構造さえわかっていれば、どんな木でも描けるとは思います!
ぼくが木を描く場合、先ずシャーペンで木全体のフォルムをうっすらと描き
その後、幹、枝、葉の順に描いていくようにしています。
木のフォルム(輪郭)を始めに描く事で木の部位がどこにあるのか把握する事が出来れば、描きやすくなります(スケッチでは中々そうはいかない事がありますが)
因みにぼくはボールペンで描いていますが
幹や樹皮を描く時は何度もペンで縦方向になぞりながら描いています。
葉で影になってる部分や木の丸みを表現させる時は縦方向に描いた後に横線を入れるといいでしょう。
この横線も何度も描いていきますが葉の影で暗くなってる部分に横線でグラデーションをつける事で影を表現できます。
また実物の木を見ながら描いているとバランスが崩れてしまう事がありますが
描いては修正を繰り返す事で逆に絵に味が出るのでバランスがおかしくなってもドンドンと描き進めましょう。
完成する頃には納得のいく木になっているはず。
ボールペンの場合、細かい所も表現出来るため幹を描いてる最中に小さな枝や幹に絡み付いた葉を入れるのもいいと思います。
葉っぱを描く時はペンを細かく回すような感じで描いていきます。
実物の木の葉は枝から沢山の葉が出ていて、それを一つ一つ描くのは難しいので
葉を絵にする場合、小さな雲や煙が枝にまとわりついているイメージで描くと、葉のようになります。
葉を描いたあと、色付けしますが上の方は光が当たっているため、下にいくほど影になっているので色を濃くします。
後は木全体を見て描き足せそうな部分や色を濃くしたい部分を入れて完成ですね!
ぼくがスケッチしたような森を描く場合は同じような木ばかり描かないで様々な種類の木を描いたり
根周辺に草をちりばめ倒れている木など森にありそうなものを付け加えていく。
遠くから描く場合は、木を一つのまとまりとして考え近くの木々と遠くの木々の色を変えるようにします(遠くのものは色を暗くする)
また山を描く際も基本的に木が集まってできた自然物なので同じような事が言えます。
【巨大樹の描き方】
村杉温泉の森の次にぼくが向かったのは阿賀町にある大銀杏。
ただ描いてみて思ったのは樹齢500年の大きな木となると沢山の葉っぱでごちゃごちゃしてしまい
どう描けばいいのかわからなくなってしまい個人的に気に入らない絵になってしまいました。
子供のころから絵を描いているぼくでも失敗してしまう事はよくあります(^^;
失敗した原因は、そもそもこの銀杏の木の幹が葉でおおわれていた事と一発描きした事です(だからこそ下書きは必要なのです)
大きな木はイラストで見られるような左右対称な美しい木ばかりではなく
何百年も生き永らえてきたからこその姿があると思います。
因みにこの銀杏の木は個人宅の木なのだが近くに行って観察ようと近付いたら
有刺鉄線のようなトゲのついた草で行く手を阻まれ番犬の鳴き声が聞こえてきたので
引返し離れた所でスケッチをしましたが、この木の失敗によって別の木で再チャレンジしたいという思いがこみ上げ
翌日、阿賀野市八所神社にある銀杏の木を描きに行きました!
この銀杏を描いてわかったのは木全体が大きいぶん、枝が小さく感じる事です。
そして巨木というのは一本の幹だけでそびえているというわけでなく
幾つもの木が密集したり枝や葉が複雑に絡み合ったりして大きな木を作り上げているという事が、二つの銀杏をスケッチしてわかった事です。
因みに神社の描き方についてはこちらへ。
実はこのあと、引き続き巨木を描きに行きました。
次なる木は杉です!
杉と言えば屋久島の縄文杉など大きな木が多い事で知られていますが
ぼくが向かった笹岡城跡にある十郎杉もまた巨大で見ごたえがあった。
この時ぼくはトイレにどうしても行きたかったのですが、何故かトイレがあったであろう場所が閉鎖していたので
早急にね!この十郎杉を描きました!
杉を観察してわかるのは全体的に太いという事でしたね。
杉の特徴と言えば茶色い幹が存在感を放っているのでスケッチする時も
幹を大きく描くという事を意識しました。
また他の木と違い太い枝のような幹があるのも特徴で、十郎杉を見てわかったのは更にそこから真っ直ぐ伸びた幹のような枝が伸びていた。
この十郎杉の他にも幹が二つに伸びた夫婦杉や一本に伸びた杉など、色々な形がありますが
杉というのはミスター巨木といった感じでした。
【竹林の描き方】
さらに後日ぼくは竹林を描きに出掛けました!
夏の暑さがやっと収まりつつある、とある日ぼくはバイクで五頭山麓にある村杉温泉へ。
竹林の場所は村杉温泉の薬師堂にある神社へと続く美しい小路にあります。
ぼくは駐車場にバイクを停めると早速薬師堂の階段を上り竹林のスケッチをしました。
竹というのは細い上、にょきにょきと沢山生えている事が特徴で倒れた竹や違う種類の木や草も周りにある事で竹林という姿を保っています。
竹林の描き方は竹自体が細いので竹をいくつも描く事になり大変ですが
目の前の方だけ描き終われば後は縦線を何回も引いて後ろの竹を表現します。
少し苦戦するのが笹の葉ですが遠くから描き方場合にいたっては普通の木の描き方と同じように
細長い筒状の竹の上部に細かい雲のような描き方で笹の葉を描いていきます。
観察してみると竹の細い枝は節(ふし)と呼ばれる部位から出ているという事がわかり、笹の葉も枝から放射状のごとく生えてました。
色をつける場合、奥の方が暗くなっているので色を濃くする事と竹の色も一つ一つ違う色にするのも手です。
微妙に色を竹ごとに変える事で目移りさせる事ができグッと絵に引き込ませられます。
専門学校時代に先生に同じ色ばかりにするのは良くないと言われた事なので、その時の受け売りですが(^-^;
あと竹林を描いてる途中、野外スケッチならではの大変さがありました。
それは竹林のある場所の近くに水辺があるためか、憎きカ達に何びきも襲われてしまった事です。
しまいにはアブも出てきてスケッチ中、何匹も叩き潰しながら描いてました!
その後、足湯に入ってから帰りましたが温泉というのはいつ行っても良いものだといつも感じますね。
【木の絵の表現方法】
木の絵を描く時に近くの木と離れた木を描く事のどちらが簡単かと言えば後者です。
断然、離れて木を描いた方が木を描いてる!っていう感じになりますし
木の部位がどこにあるのか、しっかり見る事が出来るので初めて木を描く方にはオススメです。
しかしデメリットとしてワンパターン化してしまうので、木の周りの背景を描いたりスケッチの際に木が美しいと思える場所を見付けて描くのが良いと思います。
例えば木をメインにした風景画のような感じに描いてみたり
大自然をテーマにしたイラストレーターの作品を参考にしてみるのもいいでしょう。
特にぼくのオススメは子供の頃にドハマりしたゲーム聖剣伝説のイラストレーター磯野 宏夫氏が描く絵はファンタジー感がありながら緻密で美しい。
実はぼくが描く世界樹の絵のは磯野 宏夫氏が描く樹のイメージから来ている。
意識して描いているわけではないが子供の頃に焼き付いた美しい絵の記憶が今に活きている事なのだと思います。
また木を近くから描く場合、迫力がある感じにできるが実際の木のスケッチをしてみると上手くかけないものも中にはある。
枝というのは思っている以上に複雑であるという事です。
しかし一番近くの枝だけをハッキリ描き残りの遠くの枝や小さな枝は葉っぱを描いてごまかしたりするのも一つの手です。
あと巨大な枝だけを絵の中心に描き、そこに天使を立たせてみたりする事で幹を描かなくても
巨大な樹であるという事を表現する事が出来ます。
木の表現方法は考えれば色々出来ると思うの試行錯誤してみて下さい。
【まとめ】
今回木や森のスケッチに関して記事にしましたがリアルな木を描きたいや森を表現したい時は
写真を見ながら木を描く事よりも実際に木のある場所に行ってみる!
という事をオススメします。
文だけでは中々、表現出来ない事もありますし同じ種類の木でも様々な形があるという事が実物を見る事でわかります。
とりあえず今回のスケッチ旅でぼくが描く異世界の樹のボールペン画に何か良い表現方法が身に付いたと思うので樹の絵を描いてみようと思います。
では絵を描く時間がやってきたのでこの辺で失礼します。