ネパールにあるヒンドゥー教の聖『パシュパティナート』はインド亜大陸にある四大シヴァ寺院で、名前の由来となっているシヴァの化身である黄金の角を持つ鹿
パシュパティからきている。
このヒンドゥー教の聖地に足を運んだのは2011年、初の海外一人旅となるネパールに訪れた時の事だった。
当時ボクはネパールの洗礼(シツコイ麻薬の売人や物売りなど)に耐えられず、泊まっていたゲストハウスに引き籠もりがちだった。
でも、さすがに引き籠もってばかりだと息が苦しくなり、ボクは意を決して外に出ることにした。
【ネパールの聖地巡礼旅】
目的地はタメルからタクシーで二十分程の所にあるチベット仏教の聖地ボダナートと聖地パシュパティナート。
タメルにあるタクシー乗り場で気さくな運転手に声をかけられ混沌としたカトマンズの街をボクたちは走り抜けていった。
初めに辿り着いたのがチベット仏教の聖地であるボダナート。
ここは巨大な仏塔がある事で知られ、周辺にはゴンパ(チベット仏教寺院)が数多く存在する聖地中の聖地だ。
到着すると早々にタクシー運転手はボクと一緒に車からおりボダナートの門をくぐり抜けた。
「何だろう?」
と、不思議に思っていたが彼はボクが外国人だという事なのか勝手にガイドをし始めた。
彼は親切にもボクを楽しませるため写真を撮ってくれたり、ティカを額に塗ってくれたりと色々とやってくれた。
「成る程。これがネパール人の優しさなのかー」
と干渉に耽っているなかボクらは次の目的地パシュパティナートへ。
【ヒンドゥー教の聖地でネパール人の死生観を知る】
パシュパティナートに到着するとタクシー運転手は休憩したいとボクにチャイをおごってくれた。
その後ボクはパシュパティナートの入場料500ルピー(現在1000ルピー)を支払い聖地に入場した。
左に見える聖なる川バグマティ川とシヴァの森を歩いているとモクモクと煙が立ち上るパシュパティナート寺院が見えてきた。
寺院周辺はネパール人でごったかえし、色鮮やかなメイクをしたサドゥーの姿もあった。
「お金を払えば写真を撮ってくれるよ」
と運転手からアドバイスされたがサドゥーの異様な雰囲気にボクはそれを断った。
ボクと運転手はバグマティ川沿いにある寺を見ていたが、辺りに漂う煙の事をボクに教えてくれた。
「ダイ」
つまり火葬していたのだった。
「え・・人の目にさらされながら焼かれているの?」
日本では考えられない事だ。
だが輪廻思想を信じるネパールではスワヤンブナートでも、こういった光景はめにすることが出来る。
これがネパールなのかーと思う中、運転手な上に行こうと申し出る。
【発見!幸せの穴!】
パシュパティナートにはシヴァの化身の鹿が遊んだとかいう広大な森があるが、そこへ行く道中石づくりの階段が何段も続いている。
その階段を上っていると突然運転手が
「この凹みに目を閉じて手を入れる事が出来れば幸せになれるんだよ」
と階段横に続く小さな塀を見ながら言ってきた。
「OK」
ボクは目を閉じた。
腕を垂直に伸ばし・・
凹みに向かい、ゆっくりと歩き始めた!
・・・
入らなかった!
「残念だったね!」
幸せは簡単に掴めない。思い知らされたような気がした。
その後、階段先にあるマナカマナ寺院やコルカナート寺院を見学。
寺院周辺は人気が少なく、猿達がキーキーと鳴いている位だった。
因みに猿は野犬同様あぶない存在。
噛まれたら狂犬病になるかもしれない。
それを知っていた為、ボクたちは早々にパシュパティナートを後にしたのだった。
タクシーはタメルに到着すると運転手と別れ、馴染みのチャチャカフェで食事をとるとダルバール広場に向かった。
そこで自称ガイドに会ってお金を払ってしまったボクは余計に引き籠もるようになるのだった。
嗚呼、海外怖いなー!!
もうネパール行きたくない!日本いい!
とか思っていたが数年後再びネパールに行くなんて
しかも仏画修業の為3ヶ月も行くなんて夢にも思わなかっただろう。