仏画・絵について

色鮮やかなチベット仏画『カーラチャクラ(時輪金剛)』の描き方とは?

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チベット仏画の中でも複雑かつ色鮮やかな姿をとっている仏が、時輪曼荼羅の中尊『カーラチャクラ(時輪金剛)』だ。

カーラは時間、チャクラは輪を意味するため時輪金剛と呼ばれているが、この尊格が意味するのは、その名の通り時間のサイクルを意味しているのだ。

カーラチャクラや曼荼羅は元々インド天文学や暦について詳しく述べられた経典『カーラチャクラ・タントラ』からやってきたもので、イスラム教に対抗するため作られたものと言われている。

また時輪曼荼羅自体、複雑な作りになっているため伝説の理想郷シャンバラを生み出した

と、言われているのだ。

 

【カーラチャクラの仏画の製作工程】

ボクがカーラチャクラの仏画を取り組んだのは2017年7月初めの事。

いつもお世話になっている羊画廊で、以前描いた『神々の住まう泉』(30号)を再ペイントするため倉庫から持ち帰ったのが始まり。

 

元々『神々の住まう泉』をもう一度描く気がしなかったボクはチベット仏画の本やインターネットで調べていく内に色鮮やかな姿のカーラチャクラを描く事に決めた。

ボクは描くにあたって、主に仏画の本を中心に構図や持ち物を決め、製作することにした。

 

チベット仏画においては構図や持ち物が違うだけでも違う神様になることがあるため慎重に描く事がポイントだ。

 

本来チベット文化圏にある寺院の壁画等を参考に描きたかったが、カーラチャクラの壁画は見たことが無かった為、チベット仏画の本は多いに参考になった。

因みにカーラチャクラの壁画はチベットやラダックのチベット寺院にあり、いつか機会があれば見に行こうと思っている。

 

ボクはカーラチャクラを調べた後、ボクの絵の特徴である枠を初めに描いた。

ただ今回早く絵を終わらせるため、枠を複雑にしなかった。

 

いつもは仏達を枠の中にビッシリ描いたり仏具や草木等、西洋美術の装飾を参考に細かく描くが、竜とガルーダの色違いに描く事で8月の中旬に終わる事が出来た。

 

竜とガルーダはよくチベット寺院の装飾やタンカ(仏画)の装飾として描かれる事が多く、恐らく魔除け的な意味を持っているのだろう。

 

特にチベット寺院の壁画の中には美しく描かれているものがあり、ネパールのチベット仏教の聖地ボダナート内にあるコパンゴンパには壁画はもちろんだが、ガルーダの天上画が凄く目に引いた事を覚えている。

やっぱり本物を見ることは、とても勉強になる。

 

ガルーダと竜の枠を描き終えると、いよいよカーラチャクラを描く事に。

 

ボクは、仏を描くさい蓮華座から描くようにしている。

 

土台から描く事で全体的にバランスを取れることがあるからだ。

 

特に大きい絵の場合、下から上へ描いている事が多い。

 

まとまりとしつ描くのではなく部分的に描いていく事で、どこをどう描けばいいか?分からなくなるという事を防ぐ意味あいもある。

蓮華座の次はカーラチャクラの身体を描いていく事になるが、この仏の特徴は何と言っても金色の妃ヴィシュヴァ・マーター

を抱いたヤブユムの姿をとっていることだ。

ヤブユムはチベット仏教特有の男女の神々が抱き合った姿の歓喜仏の事をいい智恵と方便=悟りへの道を意味し、ヤブユムはそれを体現しているのだ。

 

カーラチャクラの身体的特徴は青黒の身体に四面で、12の眼と24の腕を持ち、それぞれの手には仏具や武器等を持っている。

また手の指はそれぞれ色が違い、チベット仏画の中でも土手も手が込んでいる事が分かる。

 

因みに指の色は

 

親指=黄色

人差し指=白

中指=赤

薬指=青黒

小指=緑

 

多少面倒かも知れないが、チベット仏画のルールとしてあるため、変えることは出来ない。

 

ボクの絵は漫画風にアレンジされているがルールは変えないようにしている。

 

チベット文化に敬意をボクなりに払っているためだ。

ボクはチベット文化圏を旅している内にチベット人達が熱心に祈りを捧げる姿や、守られ続けられている伝統文化の数々に感動し、これは余りアレンジし過ぎてはいけない・・

 

変えたら文化への冒涜だ。

 

とすら思ってしまった為なるべく変えないようにしている。

ただそれでもネパール人タンカ絵師ロク・チットラカル氏に絵を見せた所、怪訝な表情をされた為、漫画風でも嬉しく無いんだろう。

 

話を戻すがカーラチャクラは指だけでなく腕も色が違い、青黒、白、赤の腕がそれぞれ八本ずつある。

 

ボクは妃を描いた後、男尊を描き、仏画の本を参考に仏具や武器を描いていった。

そして雲や天上の如来達を描き上げ9月の20日過ぎに完成する事が出来た。

 

ボクとしては意外に早く描き上げることが出来たが、技術が上がっていった為だと思っている。(8月中はバイトをしていなかった事もあるが)

ボクは7月20日過ぎにネパールに行って前回行ったことが無かったコパンゴンパを始めとした様々なゴンパ、観光スポットが多いにボクの絵に影響を与える事になったと思っている。

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