羊画廊での3度目の個展『ヒンズー教と仏教の神々を描く画家の話』

韓国のテグ・アートフェアで惨敗したボクは翌年、3度目となる個展『宮下拓実展“ヒンズー教とブッダの神々”』を羊画廊で開催されることになった。

個展の名前にもなっている“ヒンズー教とブッダの神々”はネパールに行った際、そこで見てきた神様達を元に描いた作品を集めた事に由来する。

 

また開催時に展示した一部の絵はテグで売れ残った作品も展示していた。

 

ボクはこの個展の為、20位の作品を描いていたが今思えば、まだまだ荒く今のように繊細なタッチではなかった。・・(後に個展で出品した作品の殆どは再ペイントする事に)

 

ただそれでも数多くのお客さんが展示会場に足を運んでくれ、ボクの事を評価してくれた。

 

実は個展が始まるまで、絵と漫画を両立しながら描いていたのだが、多分3度目となる個展を最後に漫画を描くことをやめてしまった。

 

この時、描いていた漫画は『神の子クマラ』という漫画で、破壊神シヴァの息子クマラとサラスヴァティ、ハヌマーンが天界からネパール的な街に降り立ち、侵略者と戦う話だ。

ボクはこの漫画を漫画雑誌社に持ち込み、見せたが散々な結果。

漫画を描いたことがある人なら判るかも知れないが漫画作成には絵と話、二つともうまく考えて描かないと面白いものは出来ない。

 

ボクは持ち込み後、漫画という漫画を描くこともなく、代わりに絵を描くようになった。

 

そして、いつしか画家として成功する夢を抱くようになる・・

 

ボクは個展終了後も積極的に海外に行き、カンボジアやインドを旅したが漫画的な仏教の絵というのは相変わらず変わらなかった。

これは仏教文化が濃厚なアジアを中心に旅した事が原因かも知れないがアジアの仏達に抱く、オリエンタルな姿がカッコイイと強く思ってしまったからだ。

 

因みにキリスト教圏のドイツに行った事があるが、再び天使や悪魔といった絵を描きたいと思うような事は無かった。

 

そしてインド・ラダック地方を旅した事がキッカケでネパールでタンカ(チベット仏画)修行の旅に出る事になり、チベットの絵を描き続ける事になったのは別のお話し。

 

『ヒンズー教とブッダの神々』あたりまでネパールを旅した直後だった事もあってか、クリシュナやシヴァといったヒンズー教の絵と何処かチベット的な仏教の絵が中心だった。

 

だが今ではヒンズー教はすっかり影を潜め、チベットの神々を描くことが多くなった。

 

ボクはチベット文化圏を旅している内に、向こうの仏教美術以上に文化そのものが好きになり、伝統的なタンカのような絵を描くことが好きになったのだ。

 

旅は絵のタッチをも変えるというお話しでした。

 

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