チベットの旅

チベット仏像歴訪~チベット文化圏の仏像達

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チベット文化圏の国々に行くと日本のシックで厳かな雰囲気の仏像ではない、煌びやかで、どこか装飾的な仏像達を拝観する事が出来る。

また日本の仏像とは違い、チベットの仏像の多くは古いものが存在せず、近年造られた新しい仏像達ばかりだ。

理由としては1950年代に始まった悪名高い中国によるチベット進行と文化大革命のせいでチベット人の心のよりどころであるゴンパ(チベット仏教寺院)が壊滅的なまでに破壊され続け、そこに有った数多くの貴重な仏像や壁画が失われてしまったからである。

 

実際ボクは東チベット・カム地方に行った事があるが、ゴンパは再建され綺麗に保存されていたが、そこで見かける仏像達はどう見ても新しいものばかりだった。

 

いや、もしくはただ再ペイントされただけだったかも知れないが・・

(チベットでは日本と違い、どういう訳か古くなると再ペイントしたりして綺麗にしてしまう習慣がある。)

 

ともかく、チベット本土に残っている仏像の多くは文化大革命後に造られた新しいものばかりばかりというのが現実だろう。

 

では古い仏像がチベット文化圏の国々にないかと言うと、決してそうでは無い。

 

特にインド北部ジャンムー・カシミール州にあるラダックと言われる地域にはチベット本土で失われてしまった古の仏教寺院に仏像や壁画、人々の文化が残っていて、チベットよりチベットらしいと言われる程だ。

その為かラダックは『インドの中の小チベット』と評されるが、実際に行ってみると、

 

ここはインドなのか!?

 

と思わずにはいられないくらいチベットらしい風景と仏教文化、仏像や壁画といったチベット美術が多く残されていた地だった。

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ラダックには古い仏像が多く残されているが、恐らくラダックで1番有名なのはティクセ・ゴンパにある高さ15メートルにも及ぶチャンバ(弥勒菩薩)像ではないだろうか?

チャンバ像は数十年前に造られた新しいものだが、静観で親しみやすい仏像は人気で実際に見てみたが、とても大きく引き込まれる位美しかった。

*チャンバ像があるティクセ・ゴンパのチャムカンという御堂に入ると、直ぐ目の前にチャンバ像の巨大なお顔を拝観でき、細部まで見渡せる事が可能だ。

大仏と言えば、ティクセ・ゴンパの近くにあるシェイ・ゴンパにある釈迦如来の大仏も有名でチャンバ像同様、御堂に入ると、直ぐ目の前に巨大なお顔を拝観できる。

 

しかし必見なのは釈迦如来像の周りに描かれた壁画達で、古めかしい壁画ながら繊細なタッチで描かれ、感動を覚えるはずだ。

 

また空港近くにあるスピトク・ゴンパのゴンカンと呼ばれる御堂にはゲルク派の守護神ドルジェ・ジッチェンや数々の仏像が並び、異様な雰囲気をかもちだしている。

 

ボクはその雰囲気に飲まれ、五体投地を繰り返したという事がある・・。

 

レーから西に42キロほど行った所にあるバスゴという村には17世紀、チベット軍に占領された際、ラダック軍の最前線として重要な場所であった、この村にはラダックのナムギャル王朝時代に立てられたチャンバ像が祀っていたりする。

チャンバ像は他にもレーから西に60キロほど行った所にあるゲルク派のリキル・ゴンパにも約20メートルはある巨大なチャンバ像があり、毎年冬になると、このゴンパではチャムと呼ばれる仮面舞踏が行われる。

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古い仏像はラダックの中心街レーにもあり、レーのシンボル的存在の王宮内部にある小さな御堂の中には火災から身を護る白傘概仏母という女神像や金剛手等の仏像が鎮座している。

冬季はレー王宮内部は閉ざされているが、運が良ければ鍵番の人に頼んで貰って中に、入れさせて貰えるかも知れない。

因みにレー王宮は、かのポタラ宮のモデルとなった場所と言われ、ポタラ宮とよく似た姿をしている。

 

ただ内部は御堂があるくらいで、殆ど廃墟同然だ・・。

 

【東チベットの仏像達】

古い仏像がことごとく破壊されたチベットにも美しく存在感を放っている仏像達が多く存在する。

東チベット・カム地方に行って、1番印象的だったのはカンゼ・ゴンパにある1000体はあろうかという程、雛壇に密集された仏像群だ。

一つ一つちがう仏像でつくられ、光り輝いていたその姿は、何とも美しく東チベットに行ったら是非とも目にしてほしい場所だが、カンゼは中国に対する抗議の焼身自殺がよく起きたり、情勢が不安定な為、最新の情勢を得て東チベットへ行った方がいいだろう。

 

東チベットの仏像でもう一つ印象的だったものがある。

 

それはラガン・ゴンパにある釈迦如来像で、この仏像はチベットで最も聖なる仏像とも言われ、かのチベットに嫁いだ唐の王、妃文成公主がラガンに滞在した際、仏像をここに置いて行ってくれと言ったそうで地元住民から多大な信仰を受けている。

*因みに写真撮影禁止なのであしからず。

 

東チベットにも数多くの寺院があり、ガイドブックに乗らない美しい仏像や壁画の数々が知られざるゴンパにあると思うから言葉に自信のある人はゴンパを尋ね歩くのもいいと思う。

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【チベット仏像の産地ネパールへ】

チベットの仏像は日本のように木製ではなく真鍮製で、その多くはネパールの仏師によって造られている。

美の都パタンにはマッラ王朝時代から職人達が腕を競い合って仏教美術を手掛けてきた事から、今でも仏像を造る仏師やチベット仏画タンカを描く絵師達が多くいて、工房を構えている。

興味のある人は頼めば工房の見学も出来るし、彼らが造った仏像や仏画を買う事が出来る。

 

またネパールの博物館には何百年も前の古い仏像を見ることができ、撮影料を払えばカメラを博物館に持ち込んで写真撮影も出来るから仏像好きにはオススメだ。

 

このようにチベット文化圏の国々には数多くの仏像があり、人々から信仰され、世界の平和を祈っている仏像の姿を見ることが出来れば、チベット人が何故毎日仏像に礼拝するのかを知る手がかりになることでしょう。

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