チベット仏教

チベット難民の現在。ヒンドゥー教化するチベット人達

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チベット人のヒンドゥー教化・・

 

信じられるだろうか?

 

敬虔な仏教徒であるはずのチベット人達がヒンドゥー教化しているのだ。

 

【チベット難民の現状】

ボクが彼女と出会ったのはタンカ(チベット仏画)修行の為、ネパールのボダナートで3か月住んでいた頃の話だ。

 

ボクはよく通い詰めていたレストランが休みの日になると近くにあるチベット人が経営している食堂に通っていた。

ボクはこの店に通っている内に店主のお婆さんと仲良くなり、たわいも無い話しをするようになった。

ボクは彼女の出身を聞きたくなり出身地を訪ねた。

 

「ラサ?アムド?カム?」

 

「カム」

 

カムと答えた彼女の表情が一瞬笑顔が消えたように思えた。

ボクはそれ以上聞いてはいけないと思い会話をやめた・・。

 

彼女はカム出身のチベット難民だったのだ。

 

カムとは東チベットに位置する大草原が広がるエリアでカムパと言われる遊牧民達がいる場所だ。

1950年に中国がチベットに侵攻し55~59年にチベット騒乱が起き、騒乱最中チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世がインドへ亡命した。

彼に続き約10万人のチベット人達が亡命したがチベット本土では文化大革命により約120万人のチベット人が殺され、約6000にも及ぶチベット人の心の支えとも言うべき寺院が破壊された。

しかも中国はチベット人に対して人権や言論、宗教の弾圧をしダライ・ラマ14世の写真を持つだけで逮捕したり僧侶達を強制収容所に連行するなどナチス顔負けの蛮行を繰り返した。

そんな恐ろしい中国から逃げるため毎年のようにチベット人達はインドやネパール等に亡命し、チベット難民キャンプや難民達が築き上げたチベット社会に溶け込んでいくのだ。

 

ボクが出会ったチベット人のお婆さんも命からがらチベットから脱出した難民の一人なのだ。

 

その時の心境を考えるとボクの想像を及ぶ事は出来ないだろう・・。

平和な日本に中国が攻め、もうここは中国だと言われているようなもの。

その時になってみないと彼らの気持ちは理解する事なんて出来ないのだから。

 

ボクはボダナートに住んでいたが聖地だけあって現在のチベットでは見ることが出来ない信仰心高いチベット人達の本来の姿を至る所で見ることが出来た。

人数を制限されているチベットのゴンパとは違い大勢の僧侶達が修行や瞑想に励み、仏像や仏塔に熱心にお祈りを捧げるチベット人・・。

チベットでは公安警察の監視の中にあるがネパールでは自由なのだ。

とはいえ中国と関係を築いているネパールでは中国の観光客が訪れ、一部の中国人によるマナー違反を見たことがあるが世界的に問題になっている中国人のマナー問題・・

どうにかならないのだろうか?

 

【チベット人がヒンドゥー化?】

ボクがタンカ修行先のタンカ屋に向かう最中だった。

ボクの目の前に二人のチベット人が歩いてきて挨拶をしてきた。

「タシデレ!」

ボクがよく行くチベット人食堂のお婆さんだった。

「タシデレ!」と挨拶を交わしたが彼女の額をよく見てみるとティラカが塗られていた。

ティラカとはヒンドゥー教徒が額にする赤い点のようなものだ。

ティラカは元々血と性のシンボルとしてヒンドゥー教徒がシャクティ(内的エネルギー)に接するため印としてつけているものだ。

 

だが彼女はチベット人であり仏教徒なのだ。

 

何か違和感を感じたがネパールの特徴を見るとヒンドゥー的要素を取り込んでも自然な事なのかも知れない。

ネパールはチベットとインドに間を挟まれヒンドゥー教とチベット仏教が融合しカトマンズを歩くだけで、至る所にヒンドゥー教の神々や仏教の仏達を見ることが出来る。

そしてネパールの祭りにしてもダサインやシヴァ・ラートリーといったヒンドゥー教の祭りがある一方、チベットの正月ロサルがあったりチベットの仮面舞踏祭チャムが各ゴンパで催されたりする。

そんなヒンドゥー教とチベット仏教がミックスした社会だからこそチベット難民達はヒンドゥー教化するのかも知れない。

 

【仏教のヒンドゥー教の親戚?】

ヒンドゥー教徒に仏教についてどう思う?と聞くと親戚と答えるだろう。

反対に仏教徒にヒンドゥー教について聞くとやはり親戚だと答えると思う。

仏教のカテゴリー『天』ではガルーダや大黒天といったヒンドゥー教からやってきた神々が姿を表す。

彼は仏法を護るためブッダに従い『天』として頑張ってるのだ。

またボクが東チベットに行った際ラガン・ゴンパの中に描かれたへーヴァジュラの壁画を見た時、率直にヒンドゥー教の破壊神シヴァに似ていると感じたのだ。

チベット仏教タントリズムではヒンドゥー教の神々から姿形を取り入れチベット仏教に取り入れたのだ。

一方、チベット仏教の神々が踏みつけているのはシヴァといったヒンドゥー教の神々で仏教の方が勝っていると壁画を通して見ることが出来るのだ。

ネパールでもこういった壁画をよく見ることが出来るしタマン族、シェルパ族と言ったチベット系住民が多く住むネパールだからこそ、ヒンドゥー教と仏教は共存し見事な宗教社会を作っているのだ。

 

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